みんなで一緒に作り上げる感覚は持っていたい

――今回の舞台『マタ・ハリ』ではタイトルロールを演じるおふたり。カンパニーを率いていく立場として、何か意識されていることはありますか。

愛希 それ、ちえさん(柚希さんの愛称)に伺ってみたかったんです。ちえさんって、“真ん中力”が半端ないじゃないですか。もちろん苦労されている部分もあるとは思うんですけれど、私たちから見ると、つねに自然体なのに、なぜかついていきたくなる存在感がある。それは昔から。

柚希 それについては、いろいろ話したい(笑)。

愛希 昨年『フラッシュダンス』で初めて単独で主演という立場をさせていただいたんです。終わってだいぶ経ってから気づいたんですけれど、その時の私は、みんなを引っ張らなきゃって考えすぎて、力が入っていて別人のようにテンションが高かったんですよね。

 でもちえさんって、いるだけで自然と周りを明るくするだけじゃなく、ついていきたいと思わされる……愛される何かを持っていらっしゃるんだと思うんです。それって誰もができることではない、すごいことだったんだなって改めて感じていて。

柚希 それは、宝塚の“劇団”だからできていたのかもしれない。たとえば、稽古場で共演者の方のお芝居を見ながら、「あそこはこう動いた方がいいのに」って気になっちゃうと、つい、在団中のようにお節介を焼いてしまっていました。でも、外に出てそれをやっていたら、「こっちは良かれと思って言ったことでも、相手の受け取り方があるだろうから、言い方をよく考えないと」とか「自分のことに集中しなさい」と言われることがあって。

 でも、これまでずっとみんなで手を取り合って一緒に良くなっていこうっていう姿勢で何十年もやってきた者にとっては、それがすごく過酷……。作品を良くするために、相手の人とキャッチボールしたいのに、「これも言ったらダメかな」とか、「口うるさいと思われるかも」と躊躇してしまって黙っていることも。最近は、そんなことすら考えている余裕がないくらい自分のことで必死だけど、目標は自分のことをやりつつ、みんなで一緒に作り上げる感覚は持っていたいなって思います。

» 後編へ続く

柚希礼音(ゆずき・れおん)

6月11日、大阪府生まれ。1999年に宝塚歌劇団に入団。小学生時代から培ってきたバレエの素養と高い身体能力で早くから注目を集め’09年に星組トップスターに就任。『ロミオとジュリエット』、『オーシャンズ11』など数々の舞台に主演。’15年に『黒豹の如く』『Dear DIAMOND‼︎』で退団する6年に渡って組を牽引し、絶大な人気を誇る。退団後は舞台を中心に活躍しており、ミュージカル『ビリー・エリオット~リトル・ダンサー~』や『唐版 風の又三郎』などに出演。ミュージカル『マタ・ハリ』は’18年に続き、二度目の出演になる。

愛希れいか(まなき・れいか)

8月21日、福井県生まれ。2009年に宝塚歌劇団に入団。当初は男役として活動していたが、’11年に娘役に転向。同年の『アルジェの男』で新人公演初ヒロインを務め、翌年、月組トップ娘役に就任。躍動感のあるダンスと高い演技力で娘役の枠を超えた人気を博し、’18年にはバウホール公演『愛聖女(サントダムール)』で単独主演を果たし、同年、『エリザベート』で退団。退団後は、東宝版のミュージカル『エリザベート』でタイトルロールを務めたほか、『ファントム』、『フラッシュダンス』など舞台を中心に活躍。

ミュージカル『マタ・ハリ』

ミュージカルブームに湧く’16年の韓国で世界初演され、大ヒットを記録したミュージカル。耳に残る印象的でドラマティックな楽曲は、『ジキル&ハイド』や『スカーレット・ピンパーネル』など、日本でも高い人気を誇るミュージカル作品を数々手がけたフランク・ワイルドホーンの手によるもの。日本では’18年に初演され、柚希礼音のマタ・ハリをはじめとした実力派キャスト揃いの舞台は大きな話題となった。第一次世界大戦下のヨーロッパで、そのオリエンタルな容姿と妖艶な魅力で観客を虜にし、国境を越えて活躍したダンサー、マタ・ハリ。時代に翻弄されたひとりの女性の愛と悲劇の物語が、今年、3年ぶりに蘇る。

脚本:アイヴァン・メンチェル
作曲:フランク・ワイルドホーン
歌詞:ジャック・マーフィー
オリジナル編曲・オーケストレーション:ジェイソン・ホーランド
訳詞・翻訳・演出:石丸さち子

出演:柚希礼音/愛希れいか(Wキャスト)、加藤和樹/田代万里生(Wキャスト)、三浦涼介/東啓介(Wキャスト)、春風ひとみ、宮尾俊太郎ほか

6月15日(火)~27日(日)東京建物 Brillia HALL(豊島区立芸術文化劇場)、7月10日(土)~11日(日)愛知・刈谷市総合文化センター アイリス 大ホール、7月16日(金)~20日(火)梅田芸術劇場メインホールで上演
問:梅田芸術劇場 0570-077-039(10:00~18:00)


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2021.05.22(土)
文=望月リサ
写真=鈴木七絵
ヘアメイク=黒田啓蔵(Iris) 、杉野智行(NICOLASHKA)
スタイリスト=間山雄紀(M0)、山本隆司