台湾の饒河街夜市での鳥卦(神鳥占い)が“当たる!”と評判の悟明老師。実はあらゆる占術に精通していて、台湾ではメジャーな紫微斗数での鑑定も行っています。

 そこで、日本の読者のために、毎月の世相を紫微斗数で読み解いてもらうことに。ここでは大局をみる際に使われる「天下第一盤」で占います。


【2021年4月】悟明老師が占う「世界の動き」

 今月の世相を司るのは、巨門星、太陽星、文曲星、文昌星の4つです。これらの星の意味するところを読み解くにあたって、大きなテーマとなるのは、やはり新型コロナウイルスをめぐる諸問題でしょう。

 その視点から注目したい星回りは、巨門星に吉星である化禄が入ってくる点。

 巨門星は“口”の意味を持ち、化禄は福をもたらす星。つまり“口福”の訪れを示唆していると読み取れます。具体的には、薬による福音=ワクチンの普及による感染拡大の抑制が期待できるのでは、と見ています。

 国内感染が抑えられている台湾と感染者ゼロのパラオ(2021年3月29日現在)は、一定の条件下での旅行が可能になる見込みですが、今月は、ワクチン接種が進んだ国から、徐々に観光目的での往来を解禁していくのではないでしょうか。

 また“口福”をもたらすものといえば食事です。外食産業も大きな改善が見られるようになるでしょう。

 そんななか、少々心配なのが星回りなのが天機星=ヨーロッパです。天が疫病を流行らせるという意味を持つ凶星・天煞、さらに死を意味する凶星・空亡が入っていて、このエリアのコロナ禍は、深刻な状況が続きそうです。

 特に心配なのが、イタリア、ドイツ、イギリスの3国。巨門星の影響を受け、大難が小難となる傾向はありつつも、他のエリアに比べると、まだまだ不安定な様相です。

 その一方、巨門星からの影響を受け、運気が上向くのは、台湾、東南アジア(フィリピン、インドネシア、ベトナム、マレーシア)。経済が回復基調に向かいそうです。

 さて、今月の鍵となる4星のうちの文昌星は、凶星である化忌をともない、太陰星=アメリカに入っています。化忌は、訴訟や裁判を象徴する星。アメリカでは口論や言葉のいざこざが増え、外交関係が騒がしくなるかもしれません。

 その影響を受けるのは、三方四正と銀河線でつながる北朝鮮、台湾、東南アジア(フィリピン、インドネシア、ベトナム、マレーシア)です。

 ただ、太陰星=アメリカには、右弼と禄存というふたつの吉星があることから、化忌の影響はある程度は抑えられ、戦争に至るほどの問題には発展しないでしょうし、徐々にではありますが、コロナ禍の落ち着きや経済の回復も期待できるでしょう。

 その他の国々では、天府星=南アメリカに、問題を長引かせる星・陀羅が入っているのが気になるところ。コロナ禍、ひいては人々の心が一向に落ち着かない様子が想像されます。

 また、貪狼星=カナダには、血を見る状況を示唆する羊刃があり、世界的なトップニュースとなるような交通事故が起きる可能性が見て取れます。

 今月は、兎にも角にもワクチンの普及がすべての事態好転の頼みの綱であり、自国の星回りによる運気の後押しがあった国から順に上向いていく……そんなイメージのひと月となりそうです。

2021.03.30(火)
文=堀 由美子