塩なしスープで極上レストラン級に感動

●4日目

体重 50kg 体脂肪率 28%

 今日もたっぷり寝て、スッキリ起きた。

 このスッキリ起きられる爽快感は何物にもかえがたい。おなかが気持ちよいのだ。

 朝は胃が動いていない感じがして、食事を摂りたいと思わなかった。

 今日から回復食開始。この先の3日間で食べられるのは野菜のみだ。

【回復食中に特に注意すべきこと】

●消化のよいものから食べ始める。1回につき拳ひとつ分ほど。
●葉っぱものは全般OK。
●なす、トマト、アボカドもOK。
●キノコ、海藻は消化が悪いのでNG。
●回復食の期間は、週に2回程度鍼灸院に通院。

 昼は、久しぶりに口を動かして食べ物を噛んだ。

 白菜とネギを出汁で1時間ほど炊いたもの。

 スープは塩を入れずとも味が濃い。滋味深い味に感動する。

 ほんのひと椀を15分かけて、よく噛んでいただく。

 「胃腸を大切に」と考えるので、まるで病み上がりのような心境だが、身体はスッキリしている。

 この最初のひとくちのために断食したといってもいいほどのおいしさだ。

 昼はブロッコリーを3房。塩をパラリ。

 味が濃くおいしい。いままで食べたどのブロッコリーよりおいしい。

おばあちゃんが私を追い越していく

●6日目

体重 49.5kg 体脂肪率 26.0%

 朝からおなかが気持ちいい。楽だ。中に何も入っていない感じ。

 実をいうと、これまで朝起きると胃が痛かった。そのことにも気づかないくらい痛いことが日常だった。

 それが痛くなくてしごく快適なのだ。いままで胃腸を酷使していたんだなと気づく。

 外出すると、歩くのがゆっくりになっていることに気づいた。おばあちゃんが私を追い越していく。

 昼になり、動くごとに身体が軽快になってきた。

 野菜をベーコンと一緒に蒸して、ベーコンは家族に食べてもらう。また、ソーセージとキャベツを煮て、ソーセージは家族に食べてもらう、などの工夫をしていろいろ乗り切った。肉の風味だけなら食べてもよいのだ!

 朝は拳ひとつ分、昼は拳ふたつ分の野菜を食べた。それでもうお腹いっぱい。

 テレビでは四六時中甘いものを放送していて、そのたびに「甘いものを食べたい!」という気持ちが頭に浮かぶ。ほんの数秒のことだけど、甘いものが頭を支配する感じ。

 自分に「甘いものの依存」があることが、わかってしまった衝撃。

 夕方に六本木へ移動。この先の1週間に食べていいもの、ダメなものを教えていただく。

 宇田川先生に「お通じはありますか?」と聞かれ、断食をスタートしてから約1週間ないことに気づく。腸を活発化させるツボに鍼をしてもらう。

 夜は断食。寝るとき少しだけおなかが空いた感じがしたが、気のせいだと思ってそのまま寝る。

腸を刺激するツボで出た

●7日目

体重 49.3kg 体脂肪率 27 .6%

 朝、断食を始めて初のお通じ。

 昨日、腸を刺激するツボに鍼をしてもらったのが効いた。

 今週は仕事でフードの撮影があり、試食する必要があるのだ。

 ケーキやパンなどの甘い炭水化物も含まれる。

 断食直後に炭水化物を摂取すると、いつもより多く吸収されるというし、注意深くしたい。

ただのいちごがおいしすぎて写真に撮る

●8日目

 今日から朝のヨーグルトが解禁された。

 ただのいちごヨーグルトだが、私にとってはこの上ないほどのおいしさ。

 感動しすぎて写真に撮った。

 あまりに食べ物がおいしいので、断食が終わっても、これからは本当におなかがすいたときに、腹7分目まで食べることにしようと心に決める。

 ただの春菊のサラダだが、激しくうまい。

 なすのナムル。ゴマは調味料程度ならOKと思って入れる。

 断食のいいところは、食べ物への感謝が湧くことだ。

 これからは、食べ物をけっして無駄にしたくないと心から思える。

2021.03.01(月)
文=CREA編集部
写真=深野未来、CREA編集部、Harriet