東西で個性を競い合う、百花繚乱のホテル鮨。

 サービスや味はもちろんのこと、華やかな空間も魅力のひとつだ。特に注目を集める4軒で、待ちに待った新春の訪れを祝いたい。


手製の新米シャリと、極上ネタの邂逅

◆アマン東京「武蔵byアマン」

 地上34階、都会の喧騒から離れた空間で供される鮨。握るのは、かつて青山の名店「鮨 武蔵」を営んでいた武蔵弘幸氏だ。ホテルから白羽の矢が立ち、18年に元の店を閉めやって来た。

 江戸前鮨の基本である〆め物のコハダや、煮汁の濃厚なツメを施した煮蛤、中トロなど、豊洲で仕入れたネタを中心に、その日の一番を選りすぐって提供する。そしてネタとともにこだわりを持つのが、鮨の要であるシャリ。自ら田植えをして育てた「ひとめぼれ」の新米には、古米以上の力強い旨味が宿る。

 宮城の新澤醸造店で作られた日本酒「武蔵byアマン」を始め、約80種の日本酒も完備。炙りトロとキャビアを載せた湯葉等、ひと仕事加えられたおつまみも楽しい。

アマン東京「武蔵byアマン」

所在地 東京都千代田区大手町1-5-6 大手町タワー
電話番号 03-5224-3339
営業時間 昼 12:00~14:00(最終入店 13:00)、夜 17:30~22:00(最終入店 20:30)
予算 昼 11,000円~、夜 25,000円(税・サ別)
定休日 日、月曜

洗練された空間になじむスタイリッシュな握り

◆グランド ハイアット 東京「江戸前寿司 六緑」

 サバ(上写真左から5貫目)は薄造りで三枚付けにすることで旨味を存分に楽しめる。千葉産のクロムツ(左から3貫目)は昆布締めに。さらにブリの塩焼きなど時季に合わせた一品料理がコースに奥行きをもたらす。

 テラスも利用でき、常時35~40種のネタを揃えている点も見逃せない。(お好みでの注文も可)

グランド ハイアット 東京「江戸前寿司 六緑」

所在地 東京都港区六本木6-10-3
電話番号 03-4333-8788
営業時間 昼 11:30~14:30(土・日曜、祝日11:30~15:00)、夜 18:00~21:00
予算 昼 3000円~、夜 9600円~(税・サ別)
定休日 なし

2021.01.23(土)
文=「週刊文春」グラビア
撮影=志水 隆