拾ノ型:義勇さんの羽織に隠された切なすぎる過去
いよいよ最後である。ここはとっておきのネタで締めくくりたいが、アニメ派の方は読むか読まないか、自己責任でお願いしたい(大きなネタバレはしないが)。
先述した人気投票で2位を獲得した冨岡義勇。彼の羽織を見たときに、違和感を抱きはしなかっただろうか。左右で別々の羽織を、ひとつにしているのだ。特に説明もないため「お洒落かな?」と思っていた方も多いかと思うが、「鬼滅の刃公式ファンブック 鬼殺隊見聞録」にて、吾峠氏がその本当の意味を明かしているのだ。
実はこの羽織、義勇にとって大切な人々の形見。1人は彼の姉・蔦子。もう1人は親友・錆兎。錆兎といえばアニメ版にも重要なポジションで登場し、炭治郎を導いていたが、実は義勇とも親交があったのだ。
これ以上は流石に言えないため、もしここまで読んでくださったアニメ派の方々は、どうぞご安心ください。しかし、愛する人々の形見を身に着けて戦っている、ということがわかると、より一層義勇さんを推さずにはいられなくなるのではないだろうか。
拾壱ノ型:まとめ
『鬼滅の刃』をもっと楽しむコソコソ噂話、いかがだっただろうか。ファンの方々においては、「あのネタがないでヤンス」とお思いの方もいらっしゃるかと思うが、ご容赦いただきたい。『鬼滅の刃』はそれだけ、掘りがいのあるコンテンツなのである。
さぁ、『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』が興収歴代1位の記録を打ち立てるまで、あともうわずか。前人未到の偉業が達成される瞬間を、楽しみに待とうではないか。
『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』
配給:東宝・アニプレックス
全国映画館で絶賛公開中
©吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable
https://kimetsu.com/anime/
SYO
映画ライター・編集者。映画、ドラマ、アニメからライフスタイルまで幅広く執筆。これまでインタビューした人物は300人以上。CINEMORE、Fan's Voice、映画.com、Real Sound、BRUTUSなどに寄稿。Twitter:@syocinema
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映画からマンガ・アニメまで、カルチャー全般をこよなく愛するライターSYOさんが、今、気になるポップカルチャーを深掘りします。溢れんばかりの作品愛で、原稿はいつも文字数オーバー! どこよりも“アツい”コラムをお楽しみください。
2020.12.06(日)
文=SYO