100個あるバージョンの集合体が自分

 メイクも髪も、ウイカさんにとっては自己プロデュースの手段。そこに「モテを求める気持ちはない」と言う。

「追求しているのは、いかに画面映えするか。化粧は武装。男性が背広を着ると戦闘態勢になるように、私にとって化粧が鎧であり武器。メイクや髪にこだわるのは、そこからパワーをもらうことが多いからです」

 ときには甘めメイクをインスタで披露し、男性ファンの心をくすぐることも。ヤンキー風からアイドル風まで、メイクで自在にイメージを変える。その振り幅の広さも彼女の魅力であり、自身もそのギャップを楽しんでいる感がある。

「私は、自分なんてものは存在しないと思っていて。自分らしさを求めると、“らしさ”って何? と路頭に迷うことになる。だから自分をひとつのイメージに決めつけず、“今日はあのモデルっぽい感じ”くらいのノリでどんどん何でもやってみる。そこでトライ&エラーを重ねることが、自分を俯瞰する近道にもなる気がします。

 自分は1個ではなく、100個あるバージョンの集合体が自分。自分という人間のレパートリーをいっぱい持てば、いろんな人生が疑似体験できる。そうやっていつも違う自分でいられた方が、毎日楽しいじゃない? って思うんです」

●愛用コスメ

ボーム エサンシエル フェイスカラー スカルプティング

「肌はダンゼン、ツヤ派! ハイライトは5種類使っています。これはサテンのような輝きで肌をきれいに見せてくれます」

ファーストサマーウイカ(ふぁーすとさまーういか)

1990年生まれ。大阪府出身。大阪の劇団で活動し、2013年アイドルグループ「BiS」に加入しメジャーデビューする。翌年に解散。現在は「オールナイトニッポン0」パーソナリティほか幅広く活躍。

2020.10.13(火)
Text=Etsuko Onodera
Photographs=Takuya Nagata
Styling=Iyo Kondo

CREA 2020年11・12月合併号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

この記事の掲載号

きれいな人がしてること。

CREA 2020年11・12月合併号

揺らがない自分でいるための習慣&コスメ
きれいな人がしてること。

定価820円

様々な業界で活躍する人たちの人生を支えてきた習慣とは? 大切にしている美の価値観とは? 時に悩みながらも、美容を通して“自分らしさ”に真摯に向き合ってきた“あの人”に取材。そこから見えてきたのは、揺らがない自分でいるための美容でした。