1シーンで 台本10ページに及んだことも
清澄と玻璃の距離が次第に縮まる、微笑ましい日常のシーンが劇中にはちりばめられていた。
「基本的に長回しで、1シーンの会話のやりとりが台本10ページにわたったこともありました。
映画館の大画面では、役者のすべてがお客さんに見透かされてしまいます。それだけに繊細さも求められますし、神経を使いました」
慎重に言葉を選びながら、目を見てじっくりと話す中川さん。落ち着いた物腰のせいか、まだ21歳ということに改めて驚いてしまう。
「あはは。よく言われます。年より上に見られることが多くて、この4~5年は『20代半ばだと思っていました』と言われ続けました」
中川さんは小学4年生のとき、スカウトをきっかけに芸能界入り。今年でデビュー12年目になる。
「人生の半分は、この世界を知っていることになります。この10年は長かったですね。このあとの10年はきっとあっという間なんでしょうけれど」
中川大志(なかがわ たいし)
1998年生まれ、東京都出身。主な出演映画に『虹色デイズ』(2018)、『坂道のアポロン』('18)、テレビドラマに連続テレビ小説「なつぞら」('19 NHK)、「G線上のあなたと私」('19 TBS)など。声の出演をした映画『ソニック・ザ・ムービー』が公開中。
映画『砕け散るところを見せてあげる』
高校3年生の濱田清澄(中川大志)は、1年生の蔵本玻璃(石井杏奈)がいじめを受けているところに遭遇する。持ち前の正義感から玻璃を助けるが、やがてそれ以上の気持ちを抱くようになっていった。近日公開予定。
https://kudakechiru.jp/
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2020.07.18(土)
文=黒瀬朋子
撮影=向後真孝
スタイリスト=徳永貴士
ヘアメイク=堤 紗也香