準備はするけれど あえて丸腰で臨むイメージで
しかし、自然体に見せる演技というのは簡単なことではない。
「自然にやろうと思う時点で自然ではなくなりますからね(笑)。
いつもの僕なら、入念に準備をして、自分の身を固めておかないと怖くてカメラの前には立てません。
ですが今回は、撮影前にSABU監督から、小手先で見せようとするのはやめようと言われました。もちろん事前の準備はしましたが、イメージとしては丸腰(笑)。
現場で起きることがすべてと思いながらやっていました」
体を張った激しいシーンも多々あるなか、中川さんが苦心したのは、日常的な場面だったという。
「殴られるとか、水に飛び込む場面は、行為そのものがハードなので、そのシチュエーションに身を置けば壮絶さは伝わります。
それよりも、朝の通学路や夜の商店街で、玻璃と歩きながらずっと会話をする、何気ないシーンのほうが難しかったです」
2020.07.18(土)
文=黒瀬朋子
撮影=向後真孝
スタイリスト=徳永貴士
ヘアメイク=堤 紗也香