八咫烏が支配する異世界でのファンタジー
『烏に単は似合わない』

“これだけは言っておこう。私は、悪意が無ければ、全てが許されるのだと知っている者を、決して許すことは出来ない。許すべきではないと思っている”

【本のポイント】
「20歳という史上最年少で松本清張賞を受賞した、阿部智里さんの本作品はあらゆる意味で“予想を裏切る”問題作です。

 四人の貴族の姫君たちが、正妻の座を争った先には何があるのか――。

 現在累計130万部を超える大ヒットとなっている『八咫烏シリーズ』の原点を読み、さらにその先へ進めば壮大なファンタジー世界が待っています」(担当編集)

【あらすじ】
人間の代わりに「八咫烏」の一族が支配する世界「山内」では、世継ぎである若宮の后選びが今まさに始まろうとしていた。朝廷での権力争いに激しくしのぎを削る四家の大貴族から差し遣わされた四人の姫君。肝心の若宮が一向に現れないまま、次々と事件が起こる。侍女の失踪、謎の手紙、後宮への侵入者……。后選びの行方を不穏なものにしようと企んでいるのは果たして四人の姫君のうち誰なのか?

烏に単は似合わない

著者 阿部智里
文春文庫 700円
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『烏に単は似合わない』特設サイト
https://books.bunshun.jp/sp/karasu

不安な世界を温かく癒すのは優しく強い言葉

2020.05.27(水)
文・撮影=文藝春秋