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当たり前だと思っていた日常を失って戸惑っている人、困難に直面している人、自分が大切にしているものは何か、揺らぎ、悩んでいる人へ。
こんな時だからこそ、より響く言葉があります。
コロナ禍で変容してしまった社会のなかで、これからどう生きていくのか――。
伊吹有喜の『ミッドナイト・バス』、 川越宗一の『熱源』など、 今、届けたい物語をセレクトしました。文藝春秋の文芸担当編集者からの熱いメッセージとともに――。
夜を越えて、進んでいくことを信じよう
『ミッドナイト・バス』
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“恐れずに進めばいい。
たとえ今が夜のなか、先も見えない暗がりのなかにいたとしても。
そんな時をいくつも越えてここまでやってきた。そして今夜も越えていく。”
【本のポイント】
「人が生きていく中で、どうしても暗い夜を何度か通り過ぎることになります。でも、その夜を越えて、進んでいくことを信じようという作者のメッセージが、今、いろいろな意味で心にしみます」(担当編集)
【あらすじ】
東京での過酷な仕事を辞め、故郷の新潟で深夜バスの運転手として働く利一。ある夜、彼が運転するバスに乗ってきたのは、16年前に別れた妻だった。父親と同じく、仕事を辞めて実家に戻ってきた長男、夢と結婚の間で揺れる長女。一度ばらばらになったが、人生の岐路で向き合うことになった家族の再生と再出発を描く。
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ミッドナイト・バス
著者 伊吹有喜
文春文庫 880円
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2020.05.27(水)
文・撮影=文藝春秋