「生きている限り、バッドエンドはない」
●ドラマ「火花」
売れない芸人の徳永(林 遣都)は天才的なセンスを持つ先輩芸人・神谷(浪岡一喜)と出会う。
師弟というより兄弟のような関係を紡ぐふたり。初めて飲み明かした朝、走り出す徳永の加速度がすべてを物語っている!
焼けるような羨望と苛立ち、恋にも似た衝動、これぞブロマンス。人生かけて夢を追う姿に胸がギュッとなる。
火花
出演 林 遣都、波岡一喜ほか
Netflixオリジナルドラマ「火花」(2016年~)Netflixで独占配信中
【ミニコラム】
ブロマンス、通の楽しみ方
作品の中で私達が目撃できるのは、彼らが過ごす24時間365日のうちのほんのわずかな時間だけだ。良質なブロマンス作品には「想像の余白」が存在する。自由な余白は埋めるために空いているのだ。
例えば、名探偵とその助手がスマホ片手に現代のロンドンを駆け回る「SHERLOCK」。いつも事件解決のため奔走する彼らにだって、平和な土曜の朝があるはずだ。
ふたりがルームシェアするフラット「221B」では、遅めの朝食がテーブルに並び、ツイートで知ったニュースを読み上げるジョンがシャーロックの心無いコメントに顔を顰める……というのはすべて私の妄想に過ぎないが、優れた作品ほど、キャラの日常を想像したくなるもの。
描かれない物語の隙間を私達が想像で埋めることで、ブロマンス作品は完成するのかもしれない。
SHERLOCK/シャーロック
シーズン1~4 DVD&Blu-ray-BOX好評セル&レンタル中
価格 DVD-BOX 9,500円、Blu-ray-BOX 11,900円
発売・販売元 KADOKAWA
Robert Viglasky
©Hartswood Films 2013
●おすすめしてくれたのは……
小西 麗(こにし うらら)さん
ライター/エディター。ブロマンスにまつわる英語論文のほぼ全てに目を通したアカデミックブロマンサー。目覚めはドラマ「SHERLOCK」。ゆるゆる系が好みで最近はドラマ「凪のお暇」の恋敵コンビに癒されている。
“ブロマンス”を堪能する
映画&ドラマ
2020.05.24(日)
文=小西 麗
この記事の掲載号
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