神戸のシンボルのひとつが、港にそびえる神戸ポートタワー。元町商店街からそのポートタワーへと向かう通りから西に入った所に、2019年8月にオープンしたのが「グルービー ベイカーズ」。ベイク菓子のお店です。

 ガラス張りのお店に入ると、正面はベイク菓子がずらりと並んだ対面販売のカウンター。オープンな厨房から漂う、お菓子を焼く甘い香りに包まれます。

 山のように積み上げられたスコーン。こんがり焼き上げられ、丸い形のまま置かれたタルト。四角いお菓子に、カップ型、分厚くスライスされたパウンドケーキ……。イギリスの伝統菓子、ビクトリアスポンジケーキやアメリカがルーツのブラウニーも発見。

 ボーダーレスでジャンルも様々ですが、すべて焼きっぱなしの一見地味なベイク菓子。

フランス菓子25年以上のキャリア

 そんなお菓子を次々に焼き上げるのは、店主・宮谷彬右(はるのぶ)さん。

 兵庫県三木市出身で、大阪・帝塚山「ポアール」で13年、その後も阪神間の菓子メーカーで働いてきた、フランス菓子25年以上のキャリアを持つベテランパティシエ。

「テーマは、日常のおやつ。今日、明日に食べる、ちょっと日持ちするおやつ菓子のお店です。冷蔵のお菓子は置かない。毎日、その日の焼きたてをお出しします」

 特別な材料を使うのではないけれど、シンプルなお菓子は甘さがポイントなので、砂糖を使い分けていると言います。

2020.03.15(日)
文・写真=そおだよおこ