レモン、アップル、ピーチの
ケーキの中身とは?
一番のおすすめは、何といっても、フルーツそっくりのケーキ。1個1個、本物のフルーツ同様、同じ形や色のものはありません。手作り感が溢れています。
どれも、基本は表面を薄いチョコでコーティングして、中はムースとジュレ。でも、それぞれ全く異なる味わい。全部食べてみたくなります。
「レモン」は、表面の皮の風合いも本物のよう。
ナイフで切ると表面の薄いチョコがパリッとくだけるのですが、果汁が飛ぶのではと思う程。
中身は、レモンのムースの中央に、青いレモンと黄色いレモン、両方を合わせて煮たコンフィ。
複雑な酸味に、レモングラスとコブミカン(カフィアライム)、ミントの香りを絡めてあります。ムースの優しい口溶けとコンフィの歯触り、さらにさわやかでいて複雑な風味と香り。クセになるおいしさです。
「アップル」は、形や表面の赤い色が少しずつ違って愛らしい。
青リンゴのムースの中に、サンふじのコンポートが詰まっています。
リンゴのさわやかさに、フェンネル、ディルの香りが加わって、奥行きのある忘れられない味わいです。
「ピーチ」もまた、小粒で可愛い。
中は、白桃のムースに包まれたコンポート。コンポートは、真空調理でフルーツそのものが持っている香りと味を閉じ込めています。
ほんの少しのミントとレモンの皮がアクセント。桃そのものよりも、桃らしい。
「アプリコット」は、酸味を印象づけるために、マンダリンオレンジとパッションフルーツを使用。
ジュレだけでなく、クリームにもして、半分ずつチョコを加えたムースでくるんでいます。
「クリームに卵とチョコの油脂分をプラスすることで、程よい酸味にまとめました」と百田シェフ。アプリコットの酸味を楽しむ逸品です。
創業100周年を迎えたヒルトン
復刻版メニューの「ブラウニー」
今年、創業100周年を迎えたヒルトン。それを記念した復刻版メニューのひとつが「ブラウニー」です。
パーマーハウス(現ヒルトングループホテル)創業者の妻バーサ・パーマーが、1893年のシカゴ万国博覧会の際に、シェフのジョセフ・セルに相談して生まれたケーキ。
パーマーハウスでは、今でも当時のレシピがそのまま引き継がれ、年間5万個を売り上げているのだそう。ヒルトンの名前になる前からの伝統の味です。
食べると、濃厚でねっとり。たっぷりのクルミのコリコリした食感も楽しい。チョコレートの風味に表面の杏ジャムがマッチしています。
いにしえのブラウニーは、目の前でいれてくれるコーヒーと合わせたい。
「MYPLACE」では、ケーキだけでなく、カクテルやエッグベネディクト、ウォルドーフ・サラダなど「ヒルトン・クラシック・ダイニング」と銘打った100周年特別メニューが楽しめます。
その店名は、自宅、職場の次に居心地のよい、3番目の「自分の居場所」から。伝統と最新、両方のケーキを寛いで味わえます。
ホテルがある梅田周辺は、3つのデパートだけでなく、テナントビルがいくつも立ち並び、地下街も縦横に広がっていて、数えきれない程お店が密集したスイーツ激戦区。
そんなエリアで、ありそうでなかったフルーツそっくりのケーキ。見た目だけでなく、フランス菓子としての完成度の高さにも、おいしさにも感激します。
手土産にしてもとても喜ばれそう。今後、どんなフルーツそっくりのケーキが新たに登場するか、とても楽しみです。
MYPLACE(マイプレイス)
カフェ&バー
所在地 大阪市北区梅田1-8-8 ヒルトン大阪1F
電話番号 06-6347-7111(代)
https://www.hiltonosaka.com/
Column
そおだよおこの関西おいしい、おやつ紀行
生まれも育ちも神戸の生粋の神戸っ子で、長年の関西での取材経験からおいしいお店を知り尽くしている、ライターのそおだよおこさんが、関西の「今、食べてほしい!」というおやつを紹介します。
2019.07.21(日)
文・撮影=そおだよおこ