JR大阪駅から徒歩約2分と便利な立地のランドマーク、ヒルトン大阪のロビーは、待ち合わせによく指定されます。
先日も、時間より早く着いたので、1階「MYPLACE(マイプレイス)」カフェ&バーの入口すぐにあるケーキのショウケースをちらっとのぞいたのでした。
えっ? フルーツが並んでる!?
レモン、アップル、マンダリンオレンジ、チェリー……。表面のデコボコやグラデーション、光沢や質感は、フルーツそのもの。なんと、フルーツそっくりのケーキでした。
ヒルトン大阪は、1986年、大阪ヒルトンインターナショナルとして開業。
大阪駅すぐのランドマークとしても、また、使い勝手のいいホテルとしても、関西人にとっては、すっかりおなじみです。
2017年春から2018年夏にかけ改装が行われ、1階と2階の日本料理、鉄板焼、グリル&ワイン、オールデイダイニング、カフェ&バーの5つのレストランが集結し、“DINE AROUND”(ダイン・アラウンド)としてリニューアルしたのを、意外に知らないままの人も多いのでは。
私も、1階中央のロビーを利用していたのに、サイドにある「MYPLACE」カフェ&バーのケーキが変わっているのに気づかずにいたのです。
「7月5日からピーチとアプリコットが登場しています」とペイストリーシェフの百田利治さん。
レモンとアップルと合わせて4種類がショウケースに並びます。まるで季節にこだわるフルーツショップです。
斬新なケーキを次々に作る百田シェフは、1977年、広島県出身。
調理師学校を卒業して、大阪のフランス料理店やイタリア料理店で働きますが、「デセールを担当し、お菓子を本格的にやりたいと思うようになりました」。
「ブーランジェリー ブルディガラ」大阪店、パリで人気の「ジェラール・ミュロ」福岡店のオープニング、名古屋、熊本などのお店で腕を磨き、2003年に渡仏。
「現地の桃が日本と全く違う事に衝撃を受けました。それで、食材の違いに注目して、フランスだけでなく、ベルギーやイタリアまで旅したんです」と百田シェフ。
各地でヨーロッパのお菓子を食べ、その味わいを実感して帰国。砂糖やアーモンドなどの素材の違いをお菓子作りに生かしてメーカーの商品開発にも携わった後、ヒルトン大阪のペイストリーシェフに。
「同じモノは作らない」と、常に新しいお菓子作りにチャレンジ。配合や素材同士のバランスなど細部にまでこだわった、斬新なお菓子を次々に考案しています。
「MYPLACE」カフェ&バーだけでなく、デザートビュッフェのお菓子も話題を集めています。
2019.07.21(日)
文・撮影=そおだよおこ