ロープウェイで
ベトナム最高峰に登る

 海抜3,143メートル、別名“インドシナの屋根”とも呼ばれるファンシーパン山。

 かつては2日間かけて踏破しなければならなかった高峰も、2016年に全長6,293メートルのロープウェイが完成。ロープウェイ+ケーブルカーで合計20分もあれば、頂上までアプローチできるようになった。

 このロープウェイがすぐれもの。ぐるりとガラス面でできているので、棚田の上を飛んでいる感覚で景色を楽しみながら移動できる。

 ロープウェイの終着点から少し歩いてケーブルカーに乗り換え、山頂まであと一息。

 けれどケーブルカーで上昇するにつれ、霧が徐々に深まり、終点についた頃には周囲は真っ白。晴れた日なら眼下に広がるだろう絶景は、今回は残念ながらおあずけだ。

民族が集い色が氾濫する
サンデーマーケット

 ラオカイ省の中で最も規模が大きいのが、花モン族が集まる日曜日のバックハー市場。サパから車で約2時間半、道すがらガイドから市場にまつわる話を聞く。

 マーケットは山岳に暮らす人々にとって、週に一度の楽しみ。

 夜が明ける前から、馬に乗って、あるいは徒歩で家を出発して、うきうきと市場を目指す。一週間分の食料や日用品を買い込み、お祭り気分を味わうのだ。

 名物は“タンコオ”という鍋料理。馬肉のあらゆる部位をぐつぐつと煮込み、ビーフンをつけていただく。ガイドは子供時代、これが何よりも楽しみだったという。

 そして、マーケットは若者たちの出会いの場でもあるそうだ。

 バックハー市場は、パラソルを立てたスタンドやスレート屋根の小屋が並び、必需品から娯楽品まで売られていて、まさに玉石混交。

 野菜やフルーツ、自家製のトウモロコシ焼酎、色鮮やかな刺繍の雑貨やアクセサリー、床屋さんまでも出没している。縁日を回る気分でひやかし歩くと、こちらまで楽しい気分。

 食べ物の屋台もあちこちに出ていて、カラフルな装束の人々が笑顔を浮かべて頬張っている。

 賑わいから少し離れた湖沿いには、竹籠にめいっぱい詰められたニワトリや、ふわふわの子犬、鳴き声を上げるブタ、そして200頭もの丸々と太った水牛など、家畜の市場があった。

 水牛は大きいものは6,000万ドン(約30万円)の高値がつく。けれど、売れなければ連れて帰らなくてはならず、それもまた大変だという。

 私は少数民族のおしゃれアイテム、精緻な細工のシルバーのチョーカーを購入。

 さっそく買ったばかりの戦利品を身に着けて市場を歩いていると、何人かの女性が「それ、いくらだった?」と聞いてきた。値段を伝えると、「ふーん」と、うなずいている。

 果たして、妥当な値段だったのか。ま、本人が納得ならば、それが正解なのだとしよう。

【取材協力】
ベトナム航空

http://www.vietnamairlines.com/jp/ja/

古関千恵子 (こせき ちえこ)

リゾートやダイビング、エコなど海にまつわる出来事にフォーカスしたビーチライター。“仕事でビーチへ、締め切り明けもビーチへ”をループすること1/4世紀あまり。世界各国のビーチを紹介する「世界のビーチガイド」で、日々ニュースを発信中。
「世界のビーチガイド」 http://www.world-beach-guide.com/