ひとり旅での寂しさや不自由さをちょっとした心遣いでカバーしてくれるのが温もりのある宿。昔ながらの佇いに懐かしさを感じて。
甘い香りが鼻先をくすぐり
華やいだ気持ちになる
●島崎藤村ゆかりの宿 中棚荘
(長野・中棚温泉)
![りんごがプカプカ浮かぶ「初恋りんご風呂」。11:30~14:00は日帰り入浴もできる。入浴料1,000円。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/0/b/-/img_0b8518578d5f1a78e0f5b5ae71b96ed9379962.jpg)
毎年、冬を狙って訪れる人が多い「中棚荘」。
常連客のお目当ては、10月から5月ごろまで登場する「初恋りんご風呂」だ。
![柱や梁に巨木を配した重厚な内湯。脱衣所も畳敷きで、大名風呂を思わせる造り。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/5/6/-/img_562c41cd36279d4c843dc4bb7489cb32194634.jpg)
島崎藤村ゆかりの宿としても有名なことから、りんご風呂も藤村の詩「初恋」にちなんだもの。
「初恋のような甘酸っぱい香りやときめきをお伝えしたくて」と話すのは、女将の富岡洋子さん。
地元の信州りんごを浮かべた湯船に浸かると、甘い香りが鼻先をくすぐり、華やいだ気持ちになる。
![ライブラリーに併設された「ラウンジ新鮮」。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/b/e/-/img_be986bff25a6fe0b4968f7e9e0a790f1200539.jpg)
「フロントの隣にライブラリーがあって、そこで借りた本を客室の布団の中で読みふけるのが楽しみ。疲れたら、初恋りんご風呂で癒されてまた読書……の繰り返しが幸せです」(推薦人:嶺月香里さん)
とくに1月から3月は、ひとりのんびり過ごすのに最適なシーズン。
ラウンジの暖炉の前で読書したり、温泉水で淹れる香り高いコーヒーを味わったり、冬にうれしい温かいおもてなしがいっぱい。
![藤村が『千曲川旅情の歌』を執筆した「藤村の間」。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/4/8/-/img_487f1fe031388d40c1b6d8035cdf673d186990.jpg)
2018年11月には、自社ワイナリー「ジオヒルズワイナリー」がオープン。夕食では創作会席料理と一緒に、オリジナルワインを楽しむことも。
ここにしかないオンリーワンのもてなしが、ひとり旅を満ち足りたものにしてくれる。
島崎藤村ゆかりの宿
中棚荘(なかだなそう)
所在地 長野県小諸市古城乙1210
電話番号 0267-22-1511
宿泊料金
◆1室1名利用時の1名最低料金 (1名利用は平日のみ) 11,700円~
◆1室2名利用時の1名最低料金 (平日) 10,700円~、(休前日) 11,600円~
※すべて税込、1泊朝食付き
ひとり料金 1泊2食付き 11,700円~
ひとり対応 通年可
客室数 27室
食事 朝:食事処/夕:食事処
チェックイン 14:00/チェックアウト 11:00
交通 JR・しなの鉄道小諸駅より徒歩15分
https://nakadanasou.com/
●推薦してくれたのは……
嶺月香里さん
フードライター・フリー編集者。1972年生まれ。レストラン取材からレシピ本の制作まで手がけるフードライター&フリー編集者。旅グルメや温泉に詳しい。
※宿泊料金は、とくに表記のない場合は、税金・サービス料別の最低料金を記載しています。入湯税は含まれている場合もあります。詳しくは施設にお問い合わせください。
![](https://crea.ismcdn.jp/common/images/blank.gif)
「ただいま」と
言いたくなる宿3選
2019.01.24(木)
Text=Chiaki Tanabe(Choki!)
CREA 2019年2・3月合併号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。
この記事の掲載号
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