ひとり旅での寂しさや不自由さをちょっとした心遣いでカバーしてくれるのが温もりのある宿。昔ながらの佇いに懐かしさを感じて。
老舗旅館には珍しく
夕食がつかない理由は?
●くつろぎの温泉宿 山田別荘
(大分・別府温泉)
![女将の心遣いで旅が楽しくなる。昭和5年に先々代が建てた別荘を改装。応接室は宿泊客の団らんの場に。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/e/9/-/img_e9b8cb3c3cb50ad6464e567df78164b8163188.jpg)
瓦屋根、間口の広い玄関、縁側……。
別府の住宅街に約90年前に建てられた日本家屋は、財を成した山田家の別荘で戦後に旅館として開業した。
![常に揃えられた下駄にも、温もりが感じられる。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/d/4/-/img_d453ea8a82ee94789f6689c2dd0122b8218713.jpg)
「家族の温かさが宿っていて、スリッパが苦手な私が裸足で歩いても誰も気にしない。そんなところが最高なんです」(推薦人:工藤まやさん)
といった言葉に集約されるように、初めて訪れたのにどこか懐かしい“第二の実家”と思える空気に包まれている。
![タイル貼りのレトロな内風呂。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/0/3/-/img_03bcd04b9be799d1fc95fd4fda896f0e454446.jpg)
良質な別府の湯は1組30分で利用できる貸し切り露天風呂と、泉質が異なる内風呂で楽しめる。
しかも、内風呂は24時間いつでも入れるので、時間にしばられずに、湯の恵みに浸れるのがいい。
![焼き魚と玉子焼きが並ぶシンプルな朝食。器は小鹿田(おんた)焼。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/5/7/-/img_573981b143eb830c0c57237c6af9ac63179257.jpg)
老舗旅館にしては珍しく夕食がつかないB&Bスタイルで、外国人ゲストも多い。
「別府にはおいしいものがたくさんあるから」と、町や人と触れ合う機会をつくり、新たなひとり温泉旅の形を提案している。
![縁側がある古きよき日本家屋。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/f/5/-/img_f501790d70e6a5ca285a1800e24e079e198357.jpg)
それをサポートするのが、女将の山田るみさん。
チェックインの際に、ひとりでも入りやすい店を教えてくれて、「予約もするからね」と添えられるひと言で、心の距離がぐっと縮まる。
別府の町で美食を堪能した翌日は、宿で炊きたてごはんの朝食を。
帰り際、「行ってらっしゃい。またね」と女将。人気の温泉町、別府に帰る場所ができたようなうれしさに満たされる。
くつろぎの温泉宿 山田別荘
所在地 大分県別府市北浜3-2-18
電話番号 0977-24-2121
宿泊料金
◆1室1名利用時の1名最低料金 (平日) 9,000円~、(休前日) 10,500円~
◆1室2名利用時の1名最低料金 (平日) 8,000円~、(休前日) 9,000円~
※すべて税込、1泊朝食付き
ひとり料金 1泊朝食付き 9,000円~(税込)
ひとり対応 通年可
客室数 10室
食事 朝:食事処/夕:なし
チェックイン 14:00/チェックアウト 10:00
交通 JR別府駅より徒歩8分
http://yamadabessou.jp/
●推薦してくれたのは……
工藤まやさん
メディアコーディネーター。ハワイで雑誌やテレビなどのコーディネートを手がけるほか、インスタグラマーとしても注目を集める。著書に『Hawaii Days 365』(扶桑社)。
※宿泊料金は、とくに表記のない場合は、税金・サービス料別の最低料金を記載しています。入湯税は含まれている場合もあります。詳しくは施設にお問い合わせください。
![](https://crea.ismcdn.jp/common/images/blank.gif)
「ただいま」と
言いたくなる宿3選
2019.01.22(火)
Text=Chiaki Tanabe(Choki!)
Photographs=Hiroshi Mizusaki
CREA 2019年2・3月合併号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。
この記事の掲載号
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