饅頭店が写真撮影を
拒否した理由は?

 今度は、饅頭屋である。肉まん、野菜まん、餡まんが店頭で次から次へと蒸し上げられている。もう店頭に立つだけで、幸せが押し寄せる。

 その光景を写真を撮ろうとしたら、「ダメ。ダメ」と、大声で怒鳴られた。

 ああなるほど、秘伝の技術流失を恐れているのか。そう想い、Jamesに聞いてみた。

 すると彼は笑って「違う」という。

 なんでも人気の当店は、国税局に過少申告しているために、これだけ作って売れている写真を撮られたくないのだという。

 これもまた、台湾なのであった。

マッキー牧元(まっきー・まきもと)

1955年東京出身。立教大学卒。(株)味の手帖 取締役編集顧問 タベアルキスト。立ち食いそばから割烹、フレンチからエスニック、スイーツから居酒屋まで、全国を飲み食べ歩く。「味の手帖」 「銀座百点」「料理王国」「東京カレンダー」「食楽」他で連載のほか、料理開発なども行う。著書に『東京 食のお作法』(文藝春秋)、『間違いだらけの鍋奉行』(講談社)、『ポテサラ酒場』(監修/辰巳出版)ほか。<

Column

マッキー牧元の「いい旅には必ずうまいものあり」

立ち食いそばから割烹、フレンチからエスニック、スイーツから居酒屋まで、全国を飲み食べ歩く「タベアルキスト」のマッキー牧元さんが、旅の中で出会った美味をご紹介。ガイドブックには載っていない口コミ情報が満載です。

2018.09.25(火)
文・撮影=マッキー牧元