一度渡ると3年寿命が延びる橋?

 そんな中、ビーチの東のはずれに異彩を放つ一角が。極彩色の寺院が海に突き出すように立っています。

 漁業がさかんだった香港には“天后廟(ティンハウミュウ)”という海や漁の守り神を祀る廟があちこちにあり、ここは中でも大規模。見上げるほど高い観音像、それと対のように並ぶ天后像、さらに進むと、いろんな神様の像が立っています。

 像の並ぶエリアに建てられた橋は長寿にまつわるもの。入口側から海側へ渡る(行き)と、天の時間にして3日、人間ならば3年間長生きできるとか。ただし、帰りに橋を使うと引き返すことになり、意味がないそうです。

 さらに赤いヒモでぐるぐる巻きにされた老人の像は、月からやってきた愛と結婚を司る神様で、脇の姻縁石に触れると、千里離れた男女でも縁があれば巡り合える、と。像に巻き付けられた赤いヒモはいわゆる“赤い糸”で、姻縁石は多くの人に撫でられてつるつる状態になっています。

 老人像の隣の黄色い魚の像は、開いた口の中にコインを投げ入れるとラッキー、観音像の足元の正財神像は頭から足先まで撫でると金運がアップするなど、縁起物がずらり。

 天后廟が建てられたのは1970年代中盤のこと。それから少しずつ神様が増えていき、今の状態になったとか。ここだけで結婚・子宝・金運・長寿・商売繁盛の願いが叶えられるのです。ちょっと欲張りな気もしますが、せっかくなので、いろいろとお願いしてきました。

 レパルスベイへは、中環からバスでアプローチするのが簡単ですが、2016年に開通したMTR南港島線を利用してみました。お目当てはこの路線の終点の海怡半島(サウスホライズン)にあるアウトレット「ホライズンプラザ」。ビーチついでにお買い物も楽しめます。

レパルスベイ

●アクセス 中環からバスで約30分。またはMRT南港島線の海洋公園駅下車、ミニバンで約10分
●おすすめステイ先 ザ・マレー
https://www.niccolohotels.com/en/hotels/hongkong/central/the_murray/

【取材協力】
キャセイパシフィック航空

http://www.cathaypacific.co.jp/

古関千恵子 (こせき ちえこ)

リゾートやダイビング、エコなど海にまつわる出来事にフォーカスしたビーチライター。“仕事でビーチへ、締め切り明けもビーチへ”をループすること1/4世紀あまり。世界各国のビーチを紹介する「世界のビーチガイド」で、日々ニュースを発信中。
「世界のビーチガイド」 http://www.world-beach-guide.com/

Column

古関千恵子の世界極楽ビーチ百景

一口でビーチと言っても、タイプはさまざま。この広い世界に同じ風景は一つとして存在しないし、何と言っても地球の7割は海。つまり、その数は無尽蔵ってこと? 今まで津々浦々の海岸を訪れてきたビーチライター・古関千恵子さんが、至福のビーチを厳選してご紹介します!

2018.08.11(土)
文・撮影=古関千恵子