世界を旅する女性トラベルライターが、これまでデジカメのメモリーの奥に眠らせたままだった小ネタをお蔵出しするのがこのコラム。敏腕の4人が、交替で登板します。
第173回は、小野アムスデン道子さんがスリランカで生まれ変わります!
評判の名医を訪ねてスリランカへ
一年の半分以上は旅をしている上に、飲みに行くのも大好きという生活。さすがに、最近ちょっと目の下のクマは気になるし、身体が重いような気も。年の変わる前に、身体の不調を自然の中で整えるべく、スリランカを訪れることにした。
スリランカは、インド亜大陸の南にある涙のような形をした島国。国際空港のあるコロンボまで成田から直行便で約9時間。緑豊かな自然にあふれ、北海道の8割ほどの小さい国土に8つもの世界遺産がある国だ。インド・スリランカの伝統医学であるアーユルヴェーダの専門施設で、診断を受けて、今後の生活指針を立てようと思ったわけだ。
訪れたのは、空港から車で約30分のネゴンボにある「ジェットウィング・アーユルヴェーダ・パビリオンズ」。ここでは、アーユルヴェーダの豊富な診療経験に裏打ちされた診断が評判のドクター・ディネッシュ・エディリシンゲをはじめとする専門医のコンサルテーションを受けられる(要事前予約)。
右:ここでは、ドクターに来てもらいトリートメントを行うことも可能。
スリランカでは、古来、数多くの自生するハーブなどの植物を利用したスリランカ独自の伝統医療が存在していたが、そこに紀元前3世紀頃にインドから伝わったアーユルヴェーダが融合してできたのが、スリランカ式アーユルヴェーダとされている。
アーユルヴェーダの基本的な考え方は、ヴァータ、ピッタ、カパという個々人が持つ3つのドーシャ(体質)のバランスを取ることで健康を維持するというもの。そのために、ドクターが脈診と問診、血圧などから分析をし、その人ごとに体調を整え、体質を改善する様々なトリートメントや時にはハーブから作られた薬の処方とともにアドバイスをくれる。
ここ「ジェットウィング・アーユルヴェーダ・パビリオンズ」は、宿泊、食事、トリートメントがすべてパッケージになっている。到着するとまずハートの形をしたキンマの葉を手渡され、キャンドルに火を灯すセレモニーで迎えられる。ちょっと日常から切り離される気分。
客室36室のうち12室は、広々としたヴィラ。門をくぐるとアーユルヴェーダのトリートメントベッドが2台置かれていて、自分の客室でドクターの診察やトリートメントを受けることができる。ヴィラ室内のベッドには、天井からレースのような蚊帳が吊られ、シーリングファンがゆっくりと回っていた。施設内は、Wi-Fiが利用可能だ。
2018.01.08(月)
文・撮影=小野アムスデン道子