傾いた細い木の階段に暖炉
内装にもハリポタの世界観がいっぱい
右:ホグワーツのシンボルも飾られています。こういったロゴを考えるのもグラフィック・デザイナーのお仕事。
展示されている作品と同様、ギャラリー内はカーテンや棚、カーペットまでが、ハリー・ポッターの世界観にしっくりとなじむアンティークやヴィンテージのもの。すり減って少し傾いた木の階段は、まるでダイアゴン横丁にある店のひとつのようです。
もともとポップアップ・レストランとして使用されていたこの物件を内見したミナリマのふたりも、この階段と上階の小部屋を見て恋に落ちてしまったのだそうです。
右:魔法省によるおたずね者ほかのポスター類。
1階のショップ・スペースから、2階に上がると、「アズカバンからの大量脱獄」や「死喰い人、恐怖は続く」といった大見出しが躍る日刊予言者新聞の数々が展示されています。
よく見ると「ダンブルドア、マヌケなのか危険なのか」の大見出しの下に「ファッジ、スタイリッシュ・ウィザード・オブ・ザ・イヤーに輝く」の記事や「魔法薬の浪費、その実態」などの見出しが掲載されていて、つい立ち止まってじっくり読んでしまいます。
また、新聞広告も、「防御呪文、上級トレーニング集中コース、いますぐ申し込みを!」や「インドア呪文シェルター」などなど、ユーモアたっぷり。
右:天井からは、ホグワーツからハリーに宛てた手紙が大量にぶら下がっています。
『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』でハリーが双子のジョージとフレッドから譲り受けた「忍びの地図」が床一面にプリントされている3階では、ブラック家の家系図やダイアゴン横丁の地図、そして、11歳のハリーが受け取ったホグワーツの入学案内の手紙などが壁に展示されています。
右:シリウス・ブラックの顔写真が第一面に掲載された日刊予言者新聞。
ガラスケースのなかには、『ホグワーツの歴史』や『闇の魔術に対する防衛術 初心者のための基礎』などの本も。ミラフォラさんによると「本は、映画で映らなくても中のページもデザインしています。俳優たちが演技のなかでじっと見ることができますから」というこだわりよう(実際に『不死鳥の騎士団』のなかで、「闇の魔術に対する防御」の中身がちらりと見えるシーンも)。
さらにその上、暖炉のある最上階には、『ハリー・ポッターと謎のプリンス』でロンとハリーが奪い合った「上級魔法薬」の新しい版と古い版の教科書が、両方ともガラスケースに入っているので、こちらも必見です。また、ここには『ファンタスティック・ビースト』関連のものが展示されている小部屋もあり。アールデコの美しいアートワークは、ファンでなくてもため息ものです。
「私たちの仕事は、観客が取り立てて認識するものではないと思うし、それでオスカーをもらえるわけでもないですが、ハリー・ポッターが大好きで、そのなかの美しいデザインが好きだから、グラフィック・デザイナーになりました、というファンの人に会うと、喜びを感じると同時に責任も大きいな、と思いますね」と話すミラフォラさん。
ハリー・ポッターの世界にどっぷり浸れるこのギャラリー・ショップ、館内は写真撮影も可なので、写真を撮ってあとからじっくり読み解くのも楽しいかもしれません。
House of MinaLima(ハウス・オブ・ミナリマ)
所在地 26 Greek Street London W1D 5DE
電話番号 020-3214-0000
営業時間 12:00~19:00
定休日 無休
料金 入場無料
http://store.minalima.com/
【取材協力】
英国政府観光庁
http://www.visitbritain.com/jp/ja
第一作の出版から20年
ハリー・ポッターゆかりの地を訪ねて
2017.12.30(土)
文・撮影=安田和代(KRess Europe)
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