ロンドンの夜を楽しむ「デザート・バー」という新しい選択肢

 カフェは夕方に、大半のパブは夜11時に閉店するロンドン。夜遅くまで遊びたい場合は、バーかクラブに頼らざるをえない状況のなか、新たに参入してきたのが最近SOHOにオープンしたお酒とスイーツを供する2軒のデザート・バーです。

ザ・プディング・バーの外観。
シンプルで明るいインテリアが特徴的。

 まず1軒目の「ザ・プディング・バー」は2014年7月にオープンしたポップアップ(期間限定)・レストラン。英国英語で「プディング」とは日本の「プリン」とは異なり、デザート一般をさす言葉で、その名の通りメニューには、パンナコッタやチョコレートケーキなどのデザート類からデザートワインまでがずらり。なかでもすべてのプディングを少しずつ味わえる「テイスティング・メニュー」(28ポンド)は、見た目もお腹も満たされるボリュームです。

左:居心地のいい店内。
右:珍しいハンガリーのデザートワイン(小グラス6ポンド)。英国の伝統デザート、イートン・メスと相性ぴったり。窓辺にぶら下がった木のスプーンが「プディング気分」を盛り上げます。

 パティシエは、ミシュランスター・シェフであるゴードン・ラムゼイのレストランで経験を積んだローラ・ホールウッドさん。彼女とマーケティングのプロである2人組がチームを組んで誕生したのがこの「ザ・プディング・バー」だそうです。

創始者のひとり、マーケティングのプロ、オリバー・ウィットフォード=ナイトさん(写真左)とスタッフの男性。オリバーさんはワインのセレクションも担当。
創始者のひとりであるマーケティングのプロ、エミリーさんが集めていたヴィンテージのお皿やカトラリーを使用。ひとつひとつ違う柄がラブリー。

 7月のオープン以来、行列ができる日もあるほどの大盛況ぶりで、ポップアップとはいえ、いまのところクローズの予定は決まっていないとのこと。1階部分と3階の2フロア展開で、こぢんまりとセンスのよいミニマルなインテリアが特徴的です。

ボリュームたっぷりのテイスティング・メニュー(2人用28ポンド)。

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文・撮影=安田和代(KRess Europe)