ハリーの病室とワルツ・レッスンの教室は
実は同じ場所だった!
世界に名だたる学術都市オックスフォードだけに、図書館は38のカレッジにそれぞれ併設されているのですが、それとは別にオックスフォードの主要な研究図書館として存在しているのが、ボドリアン図書館です。大英図書館に次ぐ規模を誇る、円柱にドーム形の屋根のついた特徴ある建物です。
右:卒業式など、オックスフォード大学での学校行事の会場として使われるシェルドニアン・シアター。
このボドリアン図書館の敷地内にあるデヴィニティ・スクールは、『賢者の石』のなかではハリーの病室として使われています。
その一方で、このデヴィニティ・スクール、『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』のなかでは、なんと、マクゴナガル先生によるスクール・パーティーのためのワルツ・レッスンの教室として登場します。
実際のデヴィニティ・スクールも、オックスフォード大学の催事場であるシェルドニアン・シアターと直結されており、卒業式では控え室としての役割も果たしています。天井に施された、約460もの美しいデコレーションは見どころのひとつです。
デヴィニティ・スクールの2階にあるデューク・ハンフリー図書館は、『賢者の石』のなかで、ニコラス・フラメルについて調べるために、ハリーが透明マントを着て忍び込んだ場所。火気厳禁の図書館なので、映画内のランタンはあとからCGIで入れられたものだそう。
また『秘密の部屋』のなかで、ハーマイオニーがポリジュース薬の配合を求めて、調べ物をしていたのもこの図書館です。しかし、『不死鳥の騎士団』における図書館シーンは、セット撮影に切り替わっており、よくみると窓の形が微妙に違うのがわかるはず。
Bodleian Library(ボドリアン図書館)
http://www.bodleian.ox.ac.uk/bodley
最後に、『炎のゴブレット』で、マッドアイ・ムーディがドラコ・マルフォイをイタチに変身させてしまう中庭は、ニュー・カレッジの校内。
ニュー・カレッジという名前ですが、1379年創設という十分に古いカレッジです。開校当時は「セント・メアリー」が含まれる長い名前だったのですが、すでにセント・メアリーの名前を冠したカレッジが存在していたため、混乱を避けるためにニュー・カレッジと呼ばれるようになりました。
同『炎のゴブレット』で、ハリーが三大魔法学校対抗試合のなかでセドリックに、ドラゴンが仕掛けられることを伝えるシーンの舞台となったのも、このニュー・カレッジです。
ニュー・カレッジのチャペルには、『ハリー・ポッターと死の秘宝』(PART2)でマクゴナガル先生が呪文で起動する彫刻の戦士たちを思い起こさせる壁や、『炎のゴブレット』のらせん階段にはめられたステンド・グラスのもととなった装飾もあるので、細部に目を光らせて。
ちなみに、このらせん階段そのものは、ロンドンのセント・ポール大聖堂のものだそうです。
New College(ニュー・カレッジ)
http://www.new.ox.ac.uk
ハリー・ポッターのオックスフォードでのロケ地をめぐる、ウォーキング・ツアーも不定期で開催されています。撮影裏話や、オックスフォードの観光名所についての情報もたっぷり。短時間で効率よく回りたい方にはおすすめです。
●Official Harry Highlights Tour of Oxford
Experience Oxfordshire
(エクスペリエンス・オックスフォードシャー)
http://www.experienceoxfordshire.org/shop/tickets/official-harry-highlights-tour-oxford/
【取材協力】
英国政府観光庁
http://www.visitbritain.com/jp/ja
第一作の出版から20年
ハリー・ポッターゆかりの地を訪ねて
2017.12.26(火)
文・撮影=安田和代(KRess Europe)
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