ただ甘いだけでなく高貴さと知性を忍ばせて
ブラシでチークをなでる行為を、職人がカメオを彫る作業になぞらえ、最後まで使うと20色それぞれの色に染まったカメオが現れるというサプライズを忍ばせたのだ。
「20色も作ったのは、彼女たちがたくさんの衣装を持っていて毎日ドレスを着替えていたという逸話から。私たちはドレスのようにチークを気分で着替えてもいいのでは? と思ったからなのです」
見た目重視かと思いきや、史実に成り立ちを求めたメイクアップ。しかも一つ一つに丹念な物語を込め、レ・メルヴェイユーズの心意気を再現することに心を砕いたクリエーション。ここにもやっぱり、ひときわ熱い開発者魂があった。
2012.03.26(月)
text:Keiko Watanabe
photographs:Nanae Suzuki / Hirofumi Kamaya