自家製酵母の風味を味わいたい
「キビトパン」
そんな清原さんの想いが一番出ているパンがあります。その名も店と同じ「キビトパン」。
材料は、国産全粒粉と水、自然塩のみ。北海道産小麦に、自家製粉した兵庫県豊岡産の全粒粉と北海道産ライ麦の全粒粉をブレンド。オーストラリアにいるころから継ぎ足してきた酵母を3割入れて、一晩低温でじっくり熟成させ、翌日に焼き上げます。
噛めば噛むほど、ほのかな酸味とライ麦のコクが広がります。「自家製酵母の風味をぜひ味わってください」と清原さん。清原さんのその日の気分で、大小様々なサイズがあったり、見た目も様々だったりするのが楽しい。
量り売りで、好きなだけ買えるのも魅力です。
そんなこだわりのキビトパンの生地に、クルミとカランツ(スグリの実)を入れた「トロンコ」も、定番。「ルヴァンでやっていた組み合わせ。尊敬の想いをこめて作っています」と清原さん。ルヴァンでは「メランジェ」という名で人気があったパンだそう。
クルミの食感と香ばしさ、カランツの酸味、麦の旨みなど、様々な風味が口いっぱいに広がり、食べ出したら止まらなくなってしまうおいしさ。ほかにも、イチジク、ヒマワリの種を入れた「フィグ」も人気です。こちらも量り売り。
フランスパン生地は、北海道産小麦に自家製粉した兵庫県産全粒粉を1割加え、皮のサクッとした食感を強調。スロヴェニア産の天日塩でエッジを、九州産のハチミツでほんのり甘みを感じるように仕上げています。程よい噛みごたえで、バランスの良い飽きのこない味わい。
ヒマワリの種入りの「ひまわりバゲット」なども登場します。
そんなバゲット生地で厚切りベーコンを巻いた「ベーコンエピ」も人気。国産いよかんピールとアーモンド、クランベリーとカシューナッツなど、色々な素材の組み合わせも。
「ひまわりチーズ」は、しっかり噛みごたえある生地に、旨みのあるゴーダチーズがゴロッと入っています。
何があるかは、その日のお楽しみ。
2017.09.10(日)
文・撮影=そおだよおこ