今回ご紹介する南青山のフレンチレストラン「ランベリー」はグルメ通にファンの多いお店。天然素材にこだわる“キュイジーヌ・ナチュレール”が高い評価を得て、ミシュランガイド東京で10年連続、星を獲得している名店です。

 ここのクグロフ(直径14センチ 2,000円)がおいしいです。

箱をあけた瞬間に、いい香り。ナイフを入れると、さらに芳醇な香りが立ち上ります。くるみがたっぷり、生地はしっとり。究極のクグロフです!

 クグロフはフランス・アルザス地方の伝統的な焼き菓子。焼き菓子好きの私は、ヨーロッパでも、日本でも、クグロフをみつけると必ず買って食べます。これまで何種類のクグロフを食べたか数えきれませんが、その中で、ランベリーのクグロフは最高レベルのおいしさです。

 ヨーロッパだと、ドライフルーツとたっぷりの砂糖を練り込んで焼きましたという感じの、いかにも家庭的な仕上がりのものも多いクグロフ。それはそれで素朴でおいしいのですが、このお店のクグロフはそうしたざっくり系クグロフとは対照的な、実に洗練された味なのです。

 切り分けるときに立ち上る香りから、うっとりさせられます。洋ナシのコニャックを使っているとのことです。しっかり甘く、けれども上品ですっきりした甘さは和三盆のしごと。たっぷりのクルミが香ばしさとほろにがさと心地よい歯ごたえというアクセントになっています。

 ひとくち食べると、“ああ、私の舌は今、贅沢をしている……”という気分になります。

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2017.04.19(水)