兵庫県川辺郡猪名川町、能勢電鉄の日生中央駅からすぐ。通路の奥にある小さなパン屋が「ブランジュリー・ラボンダンス」。壁面の看板が目印です。店に入ると、ハード系、クロワッサン、菓子パン、調理パン……。たくさんの種類の様々な形のパンが、棚と平台に並べられています。見ている間にも、パンが次々に焼き上がり、香ばしい香りに包まれます。
オーナーシェフの田中豊さんは、1973年生まれ。大学を卒業してインストアベーカリーに入社。2年後に直営店舗で店長になりますが、冷凍生地を焼くだけでは飽き足らず、パン職人としての腕を磨きたいと、休日にパン作りの研修にも参加するようになります。そして、とうとう地域で人気のパン屋に転職。一からパン作りを学びます。「子供の頃から大好きだったクロワッサンを作りたい」と強く思うようになりました。
色々な店を食べ歩くうち、三宮の「ブーランジェリー コム・シノワ」のクロワッサンを食べて、感動。熱心に通って、やっと採用されます。「忙しかったし、厳しかった。でも、どうしてもクロワッサン作りを学びたくて、がんばりました。焼き上がったクロワッサンを見る瞬間が楽しくって」と、田中さん。
4年間勤めて、「パティシエ エス コヤマ」へ。パン作りを任されて、パティシエの小山進さんの厳しい要求に応える様々なパンを生み出しました。6年間働いて独立し、2010年12月17日、実家に近い猪名川町に自店をオープン。
2017.01.22(日)
文・撮影=そおだよおこ