JR尼崎駅から北東へ徒歩約7分。交差点角にある小さなパン屋。ブルーの扉を開けて店内に入ると、壁に面した棚に、こんがりおいしそうな焼き色をしたパンがずらりと並んでいます。
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右:青色の優しいロゴが窓の横の壁面に。
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カウンターの向こうの厨房では、オーナーシェフの片桐力さんが、ひとり黙々とパン作り。「自分が食べたいもの、家族に食べさせたいものを作っています」とにっこり。
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片桐さんは、滋賀県出身の37歳。京都の製菓製パン専門学校を卒業して、京都の店でパン作りをスタート。4年働き、神戸の「ブランジェリー コム・シノワ」へ。そこで、ブーランジェの西川功晃さん(現在は、神戸「サ・マーシュ」のオーナーシェフ)に出会い、「パン作りに対する考え方が変わった」と言います。
「当時、ラベンダーのクロワッサンが流行っていて、毎日、作っていたんですが、西川さんは、毎日、形を変えるんです。パン作りも、毎日、同じことを繰り返すのではなく、できることを惜しまずにやってみて、少しずつでも進化しなくてはいけないと気づきました」。
同業者だけでなく、日本料理やイタリア料理の料理人と出会って話をして、何かヒントを得たり、一緒にイベントをしたり。「出会いを大切にする姿勢も学びました」。
発酵促進剤や安定剤を使わないパン作りの大切さにも目覚めたそう。
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右:ソーセージ入りクロワッサンを包んだところ。
再び、京都に戻って修業を積んだ後、2013年に自店をオープン。「世界一を目標にして、まずは、尼崎で一番のパン屋にならなくてはね(笑)。朝7時に店を開けるのは、朝に食べるパンを買いに来てほしいから」と微笑みます。
2016.06.12(日)
文・撮影=そおだよおこ