Magnificent View #1202
ホーエンツォレルン橋(ドイツ)

(C)Allan Baxter / Masterfile / amanaimages

 ケルンはドイツ西部の都市。ケルン大聖堂と並び街のシンボルとなっているのが、ライン川に架かるホーエンツォレルン橋だ。全長は約409メートル。1日に1000本以上の電車が行き交う鉄道と歩道が併設されている。

 この橋は1911年に造られて以降、物資を輸送する上で重要な役割を果たしてきた。だが、第二次世界大戦時、連合国軍の進入を阻もうと、自国のドイツ軍が爆破。一度は姿を消したが、その後、オリジナルに忠実に再建された。

 ここは恋人たちにとっての名所でもある。彼らの目的は、「愛の南京錠」を欄干にかけること。互いの名前を記した南京錠をかけ永遠の愛を誓う風景は、ローマのミルヴィオ橋やパリのポンデザールが有名だが、この橋もそれらに劣らない人気だ。

 ほかの橋と同様、施錠した後の鍵は、愛を誓いながらすぐ下を流れる川に捨てるのが習慣となっている。これに対して、危険であること、環境に影響を与えることから、この橋を管理するドイツ鉄道は錠の撤去を警告。だが、市民から反対の声があがり、今も大量の南京錠が健在だという。

Column

今日の絶景

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2017.01.14(土)
文=芹澤和美