イタリア好きの友人が「神戸・元町に、パニーノテカができた」と教えてくれました。パニーノとはイタリアのサンドイッチ、パニーノテカとはパニーノ専門店のこと。珍しいパニーノの専門店は、その名も「ポルトパニーノ」。イタリア語で港を意味する「ポルト」を名に冠する、港町神戸にぴったりなサンドイッチ屋さんです。

左:店名のロゴもおしゃれ。
右:店内にはイートインスペースも。
オーダーを受けてからサンドしますが、急いでいる方のために、ショーケースに作っておいたものを数種類並べています。

 東西に長く伸びる元町商店街の5丁目。最寄り駅は神戸高速鉄道の西元町駅。アーケードの通りの北側、JRの線路に面したビルの1階に、そのお店はありました。中に入ると、正面の大きなケースに、パニーノが並んでいます。壁には、おすすめのパニーノそれぞれの材料を記した大きな黒板。よく見ると、番号が2つ欠けています。

おすすめのメニューを書いた黒板。(9)(10)のメニューがないのはなぜ?
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パニーノを作る地本智美さん。

 「ちょっとアバウトなところが、イタリアっぽくていいかなと思って」と、地本智美さんはにっこり。地本さんは、1977年生まれ。「本やアートを置くカフェをしたい」と、25歳で知人の紹介で海外へ学びに行ったのが、たまたまイタリア。フィレンツェに滞在するうち、すっかりイタリア好きに。

 「イタリアの食を伝えたい」と、帰国してから神戸のイタリア料理店に入って、ソムリエとバリスタの勉強をします。さらに、大阪のバールで働き、コーヒーやワイン、パニーノやドルチェを作る毎日。その店の東京・表参道の出店に副店長として出向き、さらにがんばりました。

 「1日にパニーノを100個余り作ったこともあります」。神戸に戻って店探しをし、2015年4月、西元町駅の近くに、カフェバールではなくパニーノの専門店をオープンしました。

 「具材とパンを組み合わせて、お好きなように」と、地本さんが作るパニーノに決まりはありません。「どう注文していいかわからないと言われるので、黒板におすすめの組み合わせを書いています」。それが約20種類。前述したとおり、なぜか、(9)と(10)、2つの番号が欠けているのです。

生ハム、モッツァレラ、トマトの順に具材をのせて、塩、コショウを振り、オリーブオイルを回しかけます。

2016.12.25(日)
文・撮影=そおだよおこ