ポルトガルが薫るお土産を探して

マカオでは珍しくポルトガル雑貨が揃う「メルセアリア・ポルトゲーザ」。ラザロ地区の散策途中に立ち寄りたい。

 開発区のショッピングモールにはブランドショップが軒を連ねているけれど、街中の雑貨店はまだまだ数えるほどしかないマカオ。そのなかで、メイド・イン・ポルトガルのものが買える貴重なショップが2軒。

 ひとつは、石畳にコロニアルカラーの建物が連なるラザロ地区の「仁慈堂婆仔屋」の敷地内にある「メルセアリア・ポルトゲーザ」。ソープやハンドクリーム、オリーブオイルなどはパッケージも可愛らしくて、友達へのギフトにもぴったり。

Mercearia Portuguesa
(メルセアリア・ポルトゲーザ)

所在地 瘋堂斜巷8号
http://www.merceariaportuguesa.com/

リスボンに本店を構える缶詰の有名店、「ロージャ・ダシュ・コンセルヴァス・マカオ」があるのは、中国色が強いダウンタウンの福隆新街。

 もうひとつは、中心地の福隆新街にある「ロージャ・ダシュ・コンセルヴァス」。ポルトガルのリスボンに本店を構える缶詰専門店で、アジアでの展開はここだけ。小さなショップにずらりと並ぶレトロなデザインの缶詰は、キッチンに飾っておきたくなるほどキュート!

Loja das Conservas Macau
(ロージャ・ダシュ・コンセルヴァス・マカオ
)
所在地 新淇巷9号
電話番号 06571-8214
https://www.facebook.com/lojadasconservasmacau/

 ポルトガルをルーツにしつつも、ここマカオにしかないものが、マカエンセ(ポルトガルの血を引くマカオ人)秘伝の焼き菓子。

「澳門金燕牛油糕葡式食品」の店内はクッキーを焼くいい薫りが。4箱で100パタカ(約1,400円)と庶民的なお菓子だ。

 伝統のお菓子を作り続けている唯一のペストリーショップが、「澳門金燕牛油糕葡式食品」。店内で手作りする焼き菓子は、マカオ名物の杏仁餅(アーモンドクッキー)に似ているけれど、よりバターの風味が強く、ポルトガルを思わせる味だ。住宅街のなかにあって見落としてしまいそうな小さな店は、伝統を受け継ぐ名店でもある。

澳門金燕牛油糕葡式食品
所在地 龍嵩街徳泰大厦1F
電話番号 06638-7623
https://www.facebook.com/AoMenJinYanPuShiShiPin/

 マカオは、歩けば歩くほど、ポルトガルの文化がローカルに溶け込んでいることを実感できる街。昔から変わらない食や風景は、豪華なホテルよりも、煌びやかなエンターテイメントよりも、本当のマカオの楽しみを教えてくれる。

【取材協力】
マカオ観光局

http://www.macaotourism.gov.mo/

芹澤和美 (せりざわ かずみ)
アジアやオセアニア、中米を中心に、ネイティブの暮らしやカルチャー、ホテルなどを取材。ここ数年は、マカオからのレポートをラジオやテレビなどで発信中。漫画家の花津ハナヨ氏によるトラベルコミック『噂のマカオで女磨き!』(文藝春秋)では、花津氏とマカオを歩き、女性視点のマカオをコーディネイト。著書に『マカオ ノスタルジック紀行』(双葉社)。
オフィシャルサイト http://www.serizawa.cn

 

2016.12.07(水)
文・撮影=芹澤和美