日本人はおろか、東洋人もほとんど見かけない

カターニアの魚市場にあるオステリア・アンティカ・マリーナの前菜小皿料理。あまり量が食べられない日本人女子でもここなら安心。料理のクオリティももちろん高い。

 1週間ほどシチリアを食べ歩きながら旅をしましたが、最も強く印象に残ったのは、東部の中心都市、カターニアの魚市場の目の前にあるオステリア・アンティカ・マリーナでした。ここは、シチリアでは初めて前菜を小皿の形で出したといわれているお店。

 新鮮な魚介類を少しずつ多品種食べられることから、日本人の圧倒的な支持を得て、今日にいたっています。オーナーのサルヴォさんとシェフのジョヴァンニさんは毎年11月に葉山のイタリア料理店ピスカリアでフェアを行っています。

 先日そのフェアに行ってきましたが、シチリアそのままのテイストで感涙にむせびなきました。ピスカリアでは、ふだんもアンティカ・マリーナと似たテイストの料理を出しますので機会があればぜひ足を運んでみてください。

オステリア・アンティカ・マリーナ
http://www.anticamarina.it/en/home-en/

ピスカリア
https://www.facebook.com/PISCARIA/?hc_ref=PAGES_TIMELINE

ノートにある名店カフェ・シチリアで。カンノーロはオーダーが入ってからクリームをつめるので、つねに生地はサクサク。甘さが控えめなのもうれしい。

 締めはやはり甘い物、ということで旅の最後はシチリア南東部の世界文化遺産の街ノートにあるカフェ・シチリアへ。ここはシチリアでも最も有名なパスティッチェリアとして知られています。

 シチリアを代表するドルチェであるカンノーロやカッサータは甘さが控えめ。すでにアンティカ・マリーナで満腹になったお腹にもなんとか詰め込むことができました。

 シチリアには美しい海、絶景の山岳都市、お腹が空けば魚介類やパスタが待っているし、遺跡などの観光資源にもことかかない。それにもかかわらず今回の旅行中、日本人はおろか、東洋人をほとんど見かけませんでした。

 復路によったベネチアは東洋人であふれかえっていたのですが……。もっと多くの人にあの素晴らしさを体験してほしいと思います。

 シチリアから帰ると、シチリア好きの人と無性に語りたくなるシチリア病にかかるかもしれませんが……。

橋賀秀紀(はしが ひでき)
トラべルジャーナリスト。筑波学院大学非常勤講師。東京都生まれ。著書は『エアライン戦争』(宝島社)など。海外渡航歴は200回以上。執筆、講演の依頼、内容の問い合わせは、CREA WEB編集室まで。

 

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2016.11.28(月)
文・撮影=橋賀秀紀