『仁義なき男たち』の俳優陣が再集結した豪華CM
右:松方弘樹をうっかり“部長”と呼んでしまうあなたは少なくとも20代ではない。
梅宮辰夫、松方弘樹、千葉真一、北大路欣也、そして山城新伍。
あの『仁義なき戦い』シリーズを彩った、押しも押されもせぬメインキャストである。豪華だ。そんな6人の仲良しが、1990年、とあるCMで一堂に会した。
それが、原ヘルス工業なる会社が販売していた家庭用超音波発生器「バブルスター」のコマーシャルである。
右:北大路欣也が実際に「くら寿司」のカウンターに座っていたら間違いなく驚く。
この錚々たる俳優陣が、バスタオルを腰に巻いただけの半裸で、ひとりずつバブルスターの素晴らしさを力説する。フジテレビの「FNNスーパータイム」の番組中によく目にした記憶がある。
だが、夢のような効果があると謳っていたこの装置は、ただ単に何の変哲もない泡が発生するだけ――農業用ポンプを流用したという――で、健康増進にはまったくもって役立たないことが発覚。薬事法違反で業務停止処分を受けてしまった……。
松方弘樹自身が綴ったブログによると、彼らがこのCMに出ることになった経緯が面白い。
上記の5人に渡瀬恒彦を加えた6人が、「トムソーヤ企画」なるプロジェクトをスタート。映画製作を進めるも、ホテルを利用した打ち合わせの段階で700万円を費消。これだけの大物揃いだけに、それぞれのお付きのスタッフに当てがった控室の部屋代やルームサービス代などが積み重なり、こんな額面になってしまったのだという。
2016.08.26(金)
文・撮影=ヤング
写真=文藝春秋