シーフード屋台のおもてなしは昭和風?
オートサイクルをレンタルして、周囲を探検してみることにしました。
建設中の金ぴかの寺院の前で中を覗いていると、ロンジーを腰に巻いたおじさんが、いらっしゃいと、手招き。言葉はまったく通じないものの、仏像やパゴダを案内してくれました。ここの仏像は、つるりとした真っ白な肌で、どことなく艶めかしい。
ミャンマーにはネオンで装飾した仏像や、メガネをかけたものもあるとか。美的感覚が微妙に違うようです。
小道からビーチへ出てみると、海の家的風情のシーフード屋台がずらり。何か違うと思ったら、イスの上に毛足の長い、昭和の社長宅にありそうなクッションが。ゲストへのおもてなしの表れのもよう。
右:一口サイズのブタ肉のいろんな部位を煮込んだ料理。名前を聞いたら、「ポーク」。
さらに道路を走ると、見慣れないものがあちこちに。カフェっぽいビンロウ屋で、見よう見まねでトライ。これはタバコのような嗜好品で、咀嚼してから飲み込んでしまったら、周囲は「お腹が痛くなる」、「吐き出して」と手振りで大騒ぎ。
また、ニンニクの香りに誘われ、甘辛ソースを満たした金ダライで串に刺したブタ肉を煮ている「ポーク」という屋台にも、ちょっと寄り道。タナカという白粉を顔に塗ったおばちゃんやカップルと一緒にタライを囲んでみたりして。カップルの男性は30本も食べたと串を広げながら、お腹を叩いてみせました。
早朝、近隣の漁村へ行けば、漁から戻ってきた漁船がずらり。船から大量の小魚を水揚げしている風景が見られます。浜辺では、小魚を山盛りにしたバケツを天秤棒で運ぶ男性、魚をわらの上に干しながら談笑している女性たち、働く人々に麺の朝食を売る人、じゃれる犬と子供たち。朝日が差すビーチに、声が響きます。
2016.04.02(土)
文・撮影=古関千恵子