目を見張るほどのスピードで変貌を続ける街

夜を照らす黄金の仏塔は、ミャンマーのシンボル。

 長い歴史を持つ、美しき国ミャンマー。その国の名を聞いて、まっさきに思い浮かべるのが、黄金に輝く仏塔や、美しい民族衣装をまとった人たち。非暴力民主化運動の指導者、アウンサンスーチー女史の姿を思い浮かべる人も多いはず。

ミャンマーは敬虔な仏教国。仏塔や街中では、袈裟を着た僧侶の姿をよく見かける。

 ミャンマーは、日本と同じアジアにありながら、情報や渡航が制限されていたこと、長く軍事政権だったことから、どこか神秘的で、遠い国というイメージがある。そんなこの国が変わり始めたのは、ここ数年のこと。2011年から急速に民主化が進み、経済が急発展。さらに、2015年11月には総選挙が行われ、日本のメディアでも大きく報じられた。

アウンサンスーチー女史の自宅。門の前では、記念撮影をする外国人観光客や国内旅行者も。数年前までは考えられなかった光景だ。

 半世紀に及ぶ軍事政権が終わり、経済が開放されたミャンマー。その潜在力から「アジア最後のフロンティア」と称され、目下、外国資本の進出ラッシュ。なかでも、目を見張る変貌を見せているのが、最大の都市ヤンゴンだ。

庶民が集まる市場。ここ数年で携帯電話やスマートフォンを持つ人が急激に増えた。

 ヤンゴンは、2006年にネピドーに遷都されるまでこの国の首都だった場所。街中にはイギリス植民地時代のコロニアルな建物と、敬虔な仏教国らしい寺院が混在している。ビルマ族を含め135の民族が暮らし、国境を接する国々に影響を受けた風土も、アジアのほかの国にはない魅力だ。

老若男女が日常的に民族衣装を纏う姿は、とても素敵。だが、最近は洋服ばかり着る人も増えているのだそう。

2016.02.27(土)
文・撮影=芹澤和美