恋リアのキャスティングで重視すること

MEGUMI 今回初めて自分で作ってみて感じましたが、リアリティショーには「やってみなきゃわからない」という不思議な感覚があります。ドラマや映画には「主人公が問題を抱え、最後には成長して変化する」という一種の掟がありますよね。でも、リアリティショーでのそれは、参加者たち本人の内側から出てくるもの。

 見えない糸を一本ずつ丁寧にピックアップして、最後に一つの束にする。その制作工程において、何を一番大切にすべきなのか。太田さんはそれを大きな目で見据えて、言葉にしなくてもわかっている感じがするんです。だから、太田さんはそのあたりをどう考えているか聞いてみたくて。

太田 そこはまさに日々考えるところなんですけど……リアリティショーって、一人だけでは成立しませんよね。テーマが恋愛であれ友情であれ競争であれ、複数の人間が集まったときの「つながり」を描くことが本質だと思ってます。この人たちが集まったことで生まれた心の動きを、どれだけ掬えるか。そもそもそれは掬う意味があるものなのか、参加者たちの中に掬ってもらいたいものが存在するのか。そうしていくと自然と伝えるべき物語が形を成していくように感じています。

 リアリティショーは参加者の人生を大きく変えてしまう面もあるわけですから、相当な理由や責任がないと作ってはいけないものだと思います。MEGUMIさんもそこを慎重にやられてますよね。

MEGUMI そうですね。制作する理由、意味がないものはダメですし、そこは私の制作における信念でもあります。

――たくさんの候補者の中から「この人だ」と決めるキャスティングの際、最も重要視しているのはどんな点ですか。

太田 オーディションという短い時間で、どれだけ自分という人間をこちら側にわからせていただけるか、どれだけ制作者に心を開いてくれるかというのは大きいと思います。たとえこちらから見て魅力的な方でも、参加に対して前向きでなかったり、懸念を持っていたら、見送ります。

MEGUMI リアリティショーに限らず、生きていて思うことですけど、「自分のことを出せる人」には惹かれます。『ラヴ上等』の参加者でいえば、つーちゃんやBaby(ユリア)がなぜあそこまで人を惹きつけたのかというと、「私はこう思っているよ」「前はこう思っていたけど、今はこう思っているよ」ということを、他人の軸ではなく、自分自身の軸でアウトプットできているからだと思うんです。

太田 私も近い考えです。自分がこうなりたい、これがいいと思っている、という「自分」がある人。それから「言語化能力」も大切ですが、これは流暢に話せるということではなくて、とつとつと話していても、結果として自分の本質をしっかり伝えられる人。

 後者のタイプは、制作者側に忍耐がないと見落としてしまいがちですが、そこにある良さを見落とさないよう、口の上手さだけで判断しないようにしています。

MEGUMI そうかも。自分を出せるかというのと、話が上手かというのは違いますもんね。

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