「恋愛離れ」が叫ばれているにもかかわらず、若年世代を中心に恋愛リアリティショー(以下、恋リア)が人気を集め続けている。日本初の男性同士の恋リアである『ボーイフレンド』シリーズ(シーズン2が配信中)や、ヤンキーの男女の恋リア『ラヴ上等』のヒットが記憶に新しい。
『ラヴ上等』の企画・プロデューサーと『ボーイフレンド』シリーズのMCを務め、アンスクリプテッド(“筋書きのない物語”)作品のプロデューサーとしてNetflixとの専属契約を発表したMEGUMIさん。両作品のエグゼクティブ・プロデューサーを務めるNetflixの太田大さんとともに、両作品の舞台裏や、令和の今、恋リアが支持される理由について語った。
『ラヴ上等』のアジア人気は「予想していなかった」
――まずは太田さんにお伺いします。プロデューサー目線で、『ラヴ上等』で描かれるヤンキーたちの剥き出しの恋愛模様はどのように映りましたか。
太田大(以下、太田) 最初にMEGUMIさんから「ヤンキー×恋リア」というコンセプトをお聞きしたときは「見たことのないものになるだろうな」と直感しました。一方で、ヤンキーという題材自体はかつてのテレビ文化の中にもあったものです。ですから、それが今の時代にちゃんと新鮮に感じられるだろうかという、冷静な視点も持っていました。
しかし、オーディションが始まり、MEGUMIさんから「こんな人と会いました」という報告をいただくようになると、当初の「見たことのないものになるだろうな」という直感は確信に変わりました。実際の撮影が始まってから日々いただく報告も、初めて経験することの連続でした。まず初日につーちゃん(塚原舜哉)とミルク(佐藤匠海)が出会って数秒で取っ組み合いをしたのを聞いた時は「この先一体何が起こるのか」と思いました。
――MEGUMIさんは『ボーイフレンド』シリーズにスタジオMCとして参加されながら『ラヴ上等』を制作されましたが、制作者として『ボーイフレンド』からは刺激を受けることはありましたか。
MEGUMI 『ボーイフレンド』シーズン1のときは、まだ『ラヴ上等』が形になるかならないかという状態だったので、今ほど強い制作者目線はなかったんです。リアリティショーというジャンルをそこまで深く理解しようとする姿勢も、今よりは薄かったかもしれません。
でも、シーズン2の収録時期は、まさに『ラヴ上等』をバキバキに作っていた最中だったので、「脚本がない中で、人間の深い部分をどうすれば掘れるのだろう」というテーマを抱えて臨みました。シーズン2で撮影期間が延びて、季節をまたぐ大作になっているのを目の当たりにして、「恋愛リアリティショーってこうやってスケールアップできるんだ」って衝撃を受けて。
太田 MEGUMIさんの目線が変わったのは、傍で見ていてもよくわかりましたね。『ボーイフレンド』シーズン1の頃はまだ「企画者とMC」というお立場でしたが、シーズン2が始まる頃には、完全に「プロデューサー」の目線になっていらっしゃったように感じます。番組の作り方や、良い部分をどん欲に学ぼうとされているのが伝わってきました。
――『ラヴ上等』は韓国をはじめ、アジア圏でも非常に高い注目を集めました。グローバルな反響は予想されていましたか。
MEGUMI いえいえ、全くしていませんでした。3年もかけて作っていると、だんだんわけがわからなくなってくるんです(笑)。自分たちは「いい」と思っていても、「本当にこれでいいんだろうか」という気持ちを行ったり来たりして。蓋を開けてみるまで、「全く受け入れられないんじゃないか」という恐怖心もずっとありました。
アメリカなどでジャパニーズ・ヤンキーという存在が「面白いな」と思われるイメージはなんとなく持っていて、「日本の文化を世界に伝えたい」という思いもあったので、美術や小道具もそれを意識して組んでいました。ただ、アジアの方々がこれほど熱狂してくださるのには本当にびっくりしましたし、嬉しかったですね。
太田 海外で作品が見られることは、プラスアルファとしては素晴らしいことです。ただ、私たちがずっとお話ししていたのは、「まずは日本の視聴者にしっかり届けましょう」ということでしたね。その優先順位を間違えずに作ったことが、結果として正しい形になったのだと思います。
