御神体は「馬の首」! 祇園祭で神輿を先導する特別な神社

◆綾戸國中神社(京都市南区)

 全国でも極めてめずらしい、御神体が「駒形(馬の首の彫刻)」である神社。社伝によれば、素戔嗚尊(すさのおのみこと)が愛馬「天幸駒(あめのさちこま)」の頭を自ら彫刻し、新羅へ渡海する前に形見として遣わしたものが御神体の由来とされています。

 祇園祭では特別な役割を担い、神幸祭・還幸祭で神輿を先導する「久世駒形稚児(くぜこまがたちご)」は、この神社の氏子から選ばれます。稚児が駒形を胸に掛け、騎馬姿でそのまま八坂神社の中御座神輿を先導するという、他に類を見ない神事が1000年以上続いています。

 駒形を身につけた稚児は神そのものとされ、長刀鉾の稚児や皇族であっても下馬が求められる八坂神社の境内に、唯一、馬に乗ったまま参入できる存在です。

 かつては競走馬の馬主や騎手が必勝祈願に訪れる神社としても名を馳せました。疫病除けや厄除け、勝負事のご利益があるとして信教を集め、祇園祭の深層を知るうえでも欠かせない、馬との特別な縁を持つ隠れた名社です。

綾戸國中神社

京都府京都市南区久世上久世町446

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