2016年から続く「TwitCasting」の怪談チャンネル「禍話(まがばなし)」。番組で語られる恐ろしい怪談の数々もさることながら、語り手であるかぁなっきさんの飾らない話しぶりや、リスナーが語られた話を自由にリライトして楽しむ文化を生み出した、他にはない共創型の怪談コンテンツであることにも注目が集まっています。

 今回はそんな禍話から、「こたつ」が怖くなってしまったある男の子の可思議で不気味な体験談をご紹介します――。

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年末年始になると思い出す……

 年末年始の帰省シーズン。多くの人は1年の疲れを癒せる休みに大いに心を躍らせるものでしょうが、Yさんにとっては違います。

 この季節になるとどうしてもあの出来事、正確に言うとあの「こたつ」のことを思い出して、どうにも不安な気持ちになってしまうのだそうです。

◆◆◆

 Yさんが小学校1年生くらいの頃。

 正確には思い出せないそうですが、年始の寒い冬の日に家族で親戚の大きな屋敷に車で数時間かけて行ったことがありました。

 父は「遠くへのドライブだから楽しいぞ」なんて言っていましたが、実際来てみると、どこかしこも枯れた木々や茶色い山ばかりで、楽しくなんかありませんでした。

 窓の外を見るのにも飽きたYさんは持ってきたお気に入りの怪獣フィギュア取り出し、妄想の中で大バトルを繰り広げることに夢中になっていたそうです。

 想像の街をあらかた破壊し、巨大ロボが怪獣をド派手に討ち取っても、車はまだガタガタと同じリズムを繰り返しているばかり。

「ねぇ~、まだつかないの~」

「もうちょっとだから座ってなさい」

「でも、もう飽き――」

「座っていなさいって言ったでしょ。もうすぐ着くから」

 いつもは優しい母が、なんだか見たこともないくらいピリピリしていたことが心を締め付けたそうです。

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