「愛とは許し合うことだと思います」
――大友啓史監督はこの作品のことを「愛に関する器を問う作品」とおっしゃっています。この作品で描かれている愛についてどう思われますか?
竹内 「許し合う」ってことなのかなって思っています。自分の弱い部分とか、本当に嫌いな部分をきちんと晒さないとダンスは成功しない。それを理解して受け入れてもらうことが大切です。受け入れるということは、許し合うってことに繋がるのかなって。町田くんと許し合えたから、この役を演じ切れたんだと思います。
町田 作品の冒頭にアリストテレスの「愛とは、二つの肉体に宿る、一つの塊である」という言葉が出てきますよね。本作で描いている愛は、この言葉が全てだと思います。これを体現しているのが、僕と竹内くんが演じた杉木と鈴木です。
――性格も価値観も異なる二人を演じるにあたって、お互いにコントラストを出そうと意識はされましたか?
竹内 あまり意識はしてないですね。「難しい挑戦だけど、町田くんとなら奇跡が起こせるんじゃないかって」思ってたので。
町田 「今、竹内くんはどういう状態なんだろう、どんなことを考えているんだろう」みたいなことはずっと意識してました。注意深く相手を見ることで、アンテナの感度が上がって、駆け引きを生むことができたんじゃないかな。
竹内 それが良かったのかもしれないね。
町田 竹内くんは演技中だけでなく、ダンスの練習中から、ずっと僕の気持ちを察してくれていたよね。さっき言ったように僕は目の前のことに入り込みすぎてしまうタイプなので、練習がうまくいかないと重い空気を放ってしまうんです。ダンスの先生たちもやりづらかったと思います。そんな時でも竹内くんはカラッと軽やかでいてくれる。そのスタンスにだいぶ助けられました。
竹内 僕も意識的に明るくいることで自分を保っていたんだと思います。
町田 隣にいるわけではないんだけど、存在を感じる絶妙な距離にいてくれる。それがちょうどいいんですよ。素晴らしい。
――お二人が、お互いを思いやり、細やかに気持ちを汲み取っていたのは、ダンスがテーマであることも影響しているのでしょうか?
竹内 影響していると思います! ダンスって、延々と相手を察し合う競技。それでいてパートナーに気を配りながら、相手に惑わされずに自分のやるべきことをきちんとしないといけない。だからこそ、町田くんも言っていたように相手を注意深くみて、アンテナの感度を高めてました。
町田 社交ダンスは1人ではダメなんですよ。2人で出る競技だから。なので、大きく影響していると思います。
竹内涼真
1993年4月26日生まれ、東京都出身。2013年女性ファッション誌の男性専属モデルオーディションにてグランプリを獲得。翌年『仮面ライダー ドライブ』の主演に抜擢される。以降、NHK連続テレビ小説『ひよっこ』や、ドラマ「テセウスの船」など多数の作品に出演。TBSドラマ『じゃあ、あんたが作ってみろよ』での演技が話題に。来年はEX1月期「再会~Silent Truth~」、4月~ミュージカル「奇跡を呼ぶ男」に出演。
町田啓太
1990年7月4日生まれ、群馬県出身。2010年にデビュー。近年の主な出演作に大河ドラマ『青天を衝け』『光る君へ』や映画『ミステリと言う勿れ』などがある。Netflixシリーズ『グラスハート』でギタリスト・高岡尚役で出演。待機作に連続ドラマW池井戸潤スペシャル「かばん屋の相続」の第1話『十年目のクリスマス』、Netflixシリーズ『九条の大罪』などがある。
衣装クレジット
[竹内さん]ジャケット 319,000円、ニット 132,000円、パンツ 165,000円、シューズ 198,000円/Ferragamo(フェラガモ・ジャパン 0120-202-170)
[町田さん]ジャケット 206,800円、シャツ 129,800円、パンツ 217,800円、シューズ 113,300円/全てエンポリオアルマーニ(ジョルジオ アルマーニ ジャパン 03-6274-7070)
Netflix映画『10DANCE』
2025年12月18日(木)よりNetflixにて世界独占配信
出演:竹内涼真 町田啓太 土井志央梨 石井杏奈ほか
原作:井上佐藤『10DANCE』(講談社『ヤングマガジン』連載)
監督:大友啓史
脚本:吉田智子 大友啓史
企画・制作:Netflix
https://www.netflix.com/10DANCE
- date
- writer
- staff
- 文=高田真莉絵
撮影=佐藤 亘
ヘア&メイク=佐藤友勝〈Rond〉(竹内さん)、Kohey(町田さん)
スタイリスト=徳永 貴士(竹内さん)、石川英治(町田さん)










