主役犬は“柴犬界の芦田愛菜ちゃん”
福助を演じる「のこ」をはじめ、愛らしい柴犬がたくさん登場する本作。とにかく犬の負担を最小限に抑えるため、全話分の台本を先に仕上げ、暑い時期が訪れる前に屋外ロケを前倒しで行うなど、“犬ファースト”の作品づくりが徹底されていました。
「本番前のブザー音や“ヨーイ!”のかけ声も、のこが身構えてしまうので控えました。すると、僕たちも妙な緊張感がとれて、芝居がよりナチュラルになるんですよ。共演している片桐はいりさんも“これからはこのスタイルがいいね”と言っていました」と大東さん。
犬ファーストの撮影を通じて、“焦るな、落ち着いてやろう”と教えてもらうような現場だったそう。飯豊さんも「撮影がタイトになっていく中でも、わんちゃんのマイペースな性格や癒してくれるパワーに助けられて、張り詰めることなく撮影ができました」と振り返ります。
さらに、のこの俳優としての才能にも驚きの声が上がりました。
「監督がのこちゃんに、“一度ここで振り向いて、少し立ち止まってほしい”とお芝居をつけていて、絶対にわからないと思っていたのに、一発でビシッと決めちゃうんです。バミリ(立ち位置)にもちゃんと入っていくし、勘もよくて驚かされてばかりでした」(飯豊さん)
その実力から、スタッフの間では“柴犬界の芦田愛菜ちゃん”と呼ばれていたほど。大東さんも「のこは芝居心があって、自由な愛くるしさもちゃんと残してくれる。はじめは、人間に都合のいいように映すと動物本来の魅力が薄れてしまうんじゃないかと心配でした。
でも、のこは“こうなればいいな”という期待をいい意味で壊してくれて、救われる瞬間が何度もありました」と語り、のこへの深い信頼と愛情をにじませました。
