「脚は象みたいに腫れ上がってしまうし…」「あんまりお乳も出ない」手術後は身体がボロボロに…
――産婦人科には妊婦や赤ちゃんが周りにたくさんいますけど、そういう中で、「何で自分はがんなんだろう」と思うことも?
橋本 最初通っていたクリニックでは思いましたね。「なんで私だけ」って。でも、その後出産と手術のために転院した大学病院ではハイリスクの妊婦が多かったので、人それぞれいろいろ抱えているんだよなぁ、と思ったりして。
ただ、産後は本当に何もかもしんどくて、周りのことを考えている余裕もなく。本当につらかったですね。
――出産のために帝王切開をして、その後、子宮摘出の手術も一気に行って、負荷が大きいですよね。
橋本 お腹を切っただけでなく、太ももの前側のリンパを予防切除したこともあって、脚は象みたいに腫れ上がってしまうし、帝王切開も通常の人よりも大きく切っているから、身体中が痛くてしんどくて、本当に大変でした。
――赤ちゃんのお世話も難しかったのでは。
橋本 33週5日という、本当にギリギリ限界までお腹で育てましたが、それでも2000グラム未満で生まれてきたので、ずっと子どもはNICU(新生児集中治療室)に入っていました。
NICUに母乳を届けに行くんですけど、自分がボロボロすぎてあんまりお乳も出ないし、コロナ禍だったのでなかなか会いに行くこともできず。
一方で、母子同室ですでに赤ちゃんのお世話をしているお母さんもいて、そういう場面を見ると自分の無力さに泣けてしかたなかったし、子どもに会えないのもつらかったです。
「もう一生産めないんだ」時間が経ってから子宮全摘出を実感
――子宮を取った影響は?
橋本 子宮を取ったというのは全然わからなくて。もっともっと時間が経ってから、生理がこない日々が続いてようやっと、「ああ、もうないんだな」と気づきました。
――家にあった生理用品も処分して。
橋本 全部捨てました。ドラッグストアのあのコーナーに行かずに済むようになったのは良かったかな(笑)。けど、もう一生産めないんだっていうのは、後からズーンときましたね。
そうしたら5年後に今度は乳がんがわかって、乳房も全摘しないといけないことになったんです。
写真提供=橋本実花さん
〈子宮頸がんで子宮を全摘出→5年後に“乳がん”発覚→31歳で右乳房も全摘出…「女性の象徴である胸がなくなった」美容系YouTuber(32)が語る、壮絶な闘病生活〉へ続く

