片づけの成功のカギとは!?

――ものを減らし、ミニマムに暮らす人が増え、とくに漫画は電子で読む人も増えました。池田さんは、紙の本や町の書店さんへの思いが強いように感じるのですが、今回、紙の〈新装版〉が出ることになって、どんなお気持ちですか?

 紙の本を書店に並べていただくことは、多くの方が関わってくださってはじめてできることなので、本当にありがたく嬉しく思います。

 また、電子よりも紙の方が多種多様な出会いがあるような気がします。〈新装版〉が出ることで、今現在片づけに困ってる方に見つけてもらえる機会もきっと増えると思うので、そのことも、とても嬉しいです。

 本書の旧版が出てから、書店でお求めくださった方だけでなく、「図書館で借りて読みました」「フリマで買って読みました」という方からもメールをいただきました。「妹にプレゼントしたら、もう持ってました」というメールもいただきました。この作品とは別の作品なのですが、週刊誌に連載していた時は「コインランドリーに置いてあるので読んでます」という方からもメールをいただきました。

 そんな風にいろんな出会い方ができるのは、物体として存在している紙の本ならではだと思います。出会えて、お読みになった方が「作者にメールしてみようかな」とお思いになるような気持ちの繋がりができるのは、本当に嬉しくありがたいことです。

――新装版をふりがな付きにした理由は?

 「子供に読ませたら、読み終えてすぐせっせと片づけてました」というメールをいただいたりもして、お子さんにも参考になる本なのだ、と思ったからです。それで、読みやすいようにふりがなをつけました。

――池田さんご自身、延々と挫折を繰り返してきた自分が汚部屋から脱出できたポイントは、「捨てるもの」ではなく「今使っているもの」を選ぶことから始めたからではないか、とあとがきに書かれていましたが、やはり片づけ成功のカギはそこなのでしょうか? 明確でわかりやすい判断基準で真似できそう! と思いました。

 「捨てるもの」を選ぶのは、本当に難しい、というか無理です。何度も何度もトライしましたが、できませんでした。でも「今使っているもの」は、わかります。今使っているので。

 どうにか1カ所だけこじ開けてそこを「基地」にして、毎日のように使ってる、よく探し回ってるものを集めたら、探しものが激減して急にめちゃくちゃ楽になりました。

 汚部屋脱出は思ってたより長期戦になったので、最初から楽になるこのやり方を見つけて本当に良かったです。

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