小学校一年生から一人で切符を買って出かけていた
――恋愛に対しても、ご自身の将来に対しても、常に俯瞰的な視点をお持ちですよね。物事をいろいろな角度から考えられるようになったのは、どんなきっかけからでしょうか?
子どもの頃からかもしれません。10代の頃から芸能界で仕事をしていて親以外の大人とも触れ合う機会が多かったから、というのもあるかもしれないですね。
また、共働きの両親のもとで小学校一年生からお小遣い制を導入され、自分の携帯を持っていたり、「欲しいものがあるなら自分で電車に乗って買いに行きなさい」と言われたりしていたので、家庭の教育方針により独立精神が育まれた感覚はあります。
――山崎さん、一人っ子ですよね。どうしても親御さんが少し過保護になってしまうこともありそうですが、ご両親は違ったんですね。
自立を促されていたと思います。それに父と母は、趣味も合わないし、性格が全く違うんですよ。連れて行ってくれる場所もそれぞれ別々でしたし、言うこともバラバラで。なので、家族といえども他人である、といった感覚はかなり小さな頃から芽生えていたと思います。他人だけれども一緒に暮らしている人をどう大切にするのか、みたいなことを考えながらずっと生きている気がします。
――『まっすぐ生きてきましたが』には、肌荒れに悩んだ時期など、山崎さんのリアルな思いがたくさん書かれていますね。連載中、特に反響があった回はありましたか?
ピルの話はすごく反響をいただいて。今までこういった話題は話す機会がなかったので、ただ書けることが嬉しかったです。SNSでの誹謗中傷の話や選挙特番の話だったり、それこそ全員性格が違う家族の話だったり、等身大に綴っているものは反響が大きいですね。連載はWebで横書き、単行本は縦書きという違いもあるのか、書籍化後に改めて反響をいただく章もあります。縦書きの方が、伝わりやすい内容もあるのかもしれませんね。
――今後はどんなことを書いていきたいですか?
自分が書きたいことだけでなく、どんな内容なら楽しく読んでもらえるか考えて題材を選んでいるのですが、あえて挙げるなら旅エッセイをもっと執筆したいです。一人で旅をしていて、何もトラブルが起こらないことなんてまずないじゃないですか。先日も羽田空港からトラブル続きでこのまま日本から出られないんじゃないかってことがあって、それも最近の連載に書きました(笑)。角田光代さんや村上春樹さんの旅エッセイが大好きなので、自分も旅行記をもっと書いていきたいですね。
山崎怜奈(やまざき・れな)
1997年生まれ、東京都出身。慶應義塾大学卒業。2013年に乃木坂46に加入し、2022年に卒業。TOKYO FM『山崎怜奈の誰かに話したかったこと。』でラジオパーソナリティを務める他、歴史好きとしても知られており、クイズ番組や教育番組にも多数出演。Hanako webにて「言葉のおすそわけ」を連載中。

まっすぐ生きてきましたが
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ワンピース78,100円、ビスチェ30,800円/共にフミエタナカ(ドール 03-4361-8240)
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