「論破」の風潮に向き合う必要なんてない
――10代の頃からずっと第一線で活躍されているので、「自分に自信がない」と書かれていたのが意外でした。そんな気持ちを抱えながらも、人前に立ち続けるモチベーションはどこからきているんでしょう?
応援してくれる人たちの存在がモチベーションの源です。ファンの方や読者の方々もそうですし、支えてくれるスタッフさんなど、自分の活動を見守ってくれている人たちの存在は大きいですね。自分のためだけには、頑張れなくなってきちゃうじゃないですか。歳を重ねるにつれて、自分のことをそこまで愛せないよ、という気持ちになってくる。お風呂だって入らずに寝ちゃうこともありますし。自分のことをそこまで可愛がれなくなっている今だからこそ、自分を必要としてくれる人や、愛情を向けてくれる人たちにとって、どんな存在でありたいのかを強く考えるようになりました。
――爆笑問題の太田光さんとの対談でも、ラジオという仕事をとても大切にされていると話していらっしゃいました。応援してくれるリスナーの反応を、より身近に感じられるからでしょうか?
ラジオって一番嘘を付けないメディアだと感じていて。私の番組は生放送なので、その場で口にしたことがすべてになってしまいます。人間性があらわになるので、「このリアクション違ったかも」と反省することは多いんですが、その分自分の言葉一本で勝負しているから、「いつもラジオ聴いてます」って言ってもらえるとすごく嬉しいです。
――山崎さんがパーソナリティを務めている『山崎怜奈の誰かに話したかったこと。』では、本当に幅広い方々をゲストに迎えていますよね。初めて会う人と話すときに、心がけていることはありますか?
本当にお会いしたくてお呼びしているんだ、という気持ちは、ご本人にもちゃんと伝わるように心がけています。私自身、インタビューを受けることもあるので、相手が自分に興味を持ってくれているかどうかって話しているとすぐに察するものだし、興味を持ってくれている相手のほうが、やっぱり話しやすいんですよね。
――話しやすい環境を作ることは大切ですね。一方最近、会話は論破した方が勝ち、とにかく目立った方が有利、みたいな風潮も感じられます。選挙では、そういった人が人気を得ることも増えて来ましたよね。この現象にどうやって向きあえばいいのでしょうか。
こちらがしんどくなってしまうのなら、すべてに向き合う必要はないんじゃないかなって感じています。他人は変えられませんし、それよりも昨今で目立っている風潮に安易に便乗しないというか、自分らしくない言葉を使わないように努めることが、人としての一丁目一番地だと思います。自分の言葉で人を傷つけないように気を配り、支えてくれる人たちを大事にする。そういったことを積み重ねていくことで、自分の人生や言動に責任を持ちながら、健やかに暮らしていきたいと思っています。
山崎怜奈(やまざき・れな)
1997年生まれ、東京都出身。慶應義塾大学卒業。2013年に乃木坂46に加入し、2022年に卒業。TOKYO FM『山崎怜奈の誰かに話したかったこと。』でラジオパーソナリティを務める他、歴史好きとしても知られており、クイズ番組や教育番組にも多数出演。Hanako webにて「言葉のおすそわけ」を連載中。

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