豊田夢太郎さんが担当した、イチオシ作品は?
◆『BFF』小花オト/小学館
彼女がほしい陰キャ大学生と、親友がほしいイケメンカフェ店長。かみあわない二人が織りなす同居コメディー。「マンガワン」で連載中。
「キャラクターの絵柄はキュートでリッチ、でもギャグはキレッキレかつ特濃。これを両立させることができる作家さんは今、小花氏以外にはほとんどいらっしゃらないのではないかと思います。本作にハマったら、小花氏の前作『翼くんはあかぬけたいのに』もぜひ。色んな意味で楽しみ倍増です」
人生で思わず夜ふかしして読んでしまったマンガは?
◆『風呂上がりの夜空に』小林じんこ/講談社
「高校生の頃、喫茶店で何の気なしに手に取ったのがこの作品を知るきっかけでしたが、一読した瞬間、『これは僕のための物語だ!』と思春期の心にぐっさりと刺さりました。そして作品を知ったのとちょうど同じ時期から大判の愛蔵版が刊行開始になったことも、思春期の人間に『これは運命だ!』と思わせるのに十分でした。
愛蔵版5巻全巻揃ったところで、あらためて大事に大事に1話から最終話まで夜更かしして泣きながら読み通したのを覚えています。誇張ではなくそれから100回は読み通していますし、何より『漫画って、こんなに人の感情を揺さぶってしまうものなんだ。なんて素敵なんだろう』と感じたことをきっかけに私は漫画編集者の道を志したので、人生で一番大事な作品といっても間違いありません。
今年、本作の作者である小林じんこ氏が亡くなられたことが本当に悲しく、寂しいです」
豊田夢太郎さんの「マンガを読むときのマイルール」
「漫画編集者としてはどうかと思う行動なのですが、大好きな作品ほど『読むと、読み終わってしまう』のが悲しいので、コミックスの完結巻だけ読まずに置いておくことがあります。漫画を読むのは通勤中の電車の中か会社のデスクで、というのがほとんどなのですが、そういった作品の完結巻を読むときだけは家のベッドに入ってから、と決めています(多くの場合、号泣してしまうのでそのまま寝られるように……)」
CREA夜ふかしマンガ大賞とは…
マンガを愛する選考委員とCREA編集部の推薦により選ばれた「思わず夜ふかしして読みたくなる」そして、「いま、CREA読者に本当におすすめしたい」作品に贈る賞。今年は初めて、15名のマンガ編集者の皆さんに選考委員をお願いしました。2024年7月~25年8月に単行本の新刊が発売された(ただし、合計5巻以内)、もしくは、雑誌などに最新話が発表された作品から選出されます(※選考委員の担当作は推薦不可、現在所属する出版社が発行する媒体の掲載作品は1作まで推薦可)。その他、マンガ好きの著名人の方々が選ぶ「個人賞」もあります。
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「CREA夜ふかしマンガ大賞2025」選考委員アンケート
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