医師監修のプログラムを体験するリトリート施設へ
霊峰富士のもと、自然を思い切り体験していると、心身がだんだんキレイになっていくのが分かる。そんな自然の癒しをよりディープに味わえるのが、2015年、朝霧高原にできた滞在・体験型施設の「日月倶楽部(ひつきくらぶ)」だ。
到着してまず目に入るのは、標高3776メートルの富士山頂から駿河湾までの稜線を一望できる絶景。静岡県東部で富士山を望める場所は珍しくはないけれど、横にスラリと伸びる尾根は、なかなか貴重な眺望だ。
ここの特長は、ゲストそれぞれに合った食膳薬膳茶や医師監修のプログラムで、心身のリフレッシュを図れること。滞在中は、体調にあったオリジナルブレンドの薬膳茶を飲み、地元の食材を使った料理を食べ、中医アロマや、ジャイロキネシス(ドイツではリハビリの一環として行なわれるエクササイズ)など、好きなアクティビティーをチョイスして過ごす。
右:キッチンに並ぶのは、オリジナル薬膳茶を煮出す専門の鍋。
オーナーの山本竜隆さんは、もともと東京の都心で内科医をしていた方。「東洋医学と西洋医学を併せた統合医療をやりたい」という思いから、拠点となる場所を全国で模索。標高700メートルに位置し、湧水群や自然林、緑が豊富にあるこの場所を見つけ、転居した。現在は診療所も開き、地元住民の頼れるお医者様として忙しい毎日を送っている。
敷地内にある茶房「The SUN and Moon」は、通常は宿泊ゲストのみの利用となっているが、7月と8月の週末はランチタイムに一般開放する予定なのだそう。料理の腕を振るっているのは、宝塚の娘役として活躍した奥様。
ゲストルームは、メゾネット型をはじめとする7室。移築した古民家を利用した部屋に華美な装飾はなく、ただそこにいるだけで、風や澄んだ空気、緑の香りを体験できる。
もちろん、1泊だけ、食事をしただけで体質改善は難しい。でも、ここでの滞在時間は、たとえ短くても、大切なウエルネスへの気づきを与えてくれ、今の生活を振り返るきっかけとなるかもしれない。
日月倶楽部
所在地 静岡県富士宮市猪之頭2271
電話番号 0544-52-2611
URL http://hitsuki-club.com/
2016.03.28(月)
文・撮影=芹澤和美