富士山を一望する吊り橋で空中散歩

目の前に富士山と箱根山麓が広がる、静岡県東部の新名所、「三島スカイウォーク」。

 富士山の眺望あり、清流あり、温泉あり、おいしい食材あり、気候よし。さらに東京から日帰りも可能という、週末旅行にぴったりの場所が、静岡県の東部。

 静岡県への旅行というと、伊豆地方や世界遺産にもなっている富士山が思い浮かぶけれど、その周辺も見どころいっぱいの穴場エリアだ。

 起点となるのは、東京から新幹線で1時間弱の三島。伊豆半島の入り口でもあるここは、富士山系の湧き水が豊富な自然豊かなところ。平安時代の古書に登場し、源頼朝が崇敬した三嶋大社もあって、歴史が薫る街でもある。

三島駅の近くを流れるのは、富士山の伏流水を源流とする源兵衛川。川沿いには、カフェやバーも。

 2015年12月、三島の郊外に誕生したのが、標高415メートルに位置する日本最長の歩行者専用吊り橋「三島スカイウォーク」。全長400メートルの吊り橋からは、富士山や駿河湾、三島や沼津の街並みを一望する。一般的な吊り橋よりも眺めがよくなるよう設計されているため、視界を遮るものはほとんどなく、まるで空中を歩いているかのよう。

強風が吹いた時でも大きく揺れない構造。安全と分かっていても、高さ70.6メートルからの視界にハラハラ。

 ここでの楽しみは、絶景だけではない。吊り橋を渡ったところには、森の中に続く散策路がある。足元が気持よくフワフワしているのは、間伐材でできたウッドチップが敷き詰められているから。森林は、密集した木々の中から弱ったものを伐採することで良好な環境が保たれる。伐採した木材を足元に感じることで、そうした森のサイクルも知ってもらおうという試みだ。

左:散策路の中には、自然を身近に感じさせるさまざまな仕掛けが。
右:間伐材で作った板に花の種を貼り付けたチャームを、願いを込めながら橋から投げる。いつか花が満開になると希望が叶うという、ロマンチックなコンセプトだ。

 吊り橋と森の散策を楽しんだ後は、カフェで一息。地下300メートルから汲み上げた箱根山の水で淹れたコーヒーや、三島市内の茶園で栽培されたオーガニック紅茶がおいしい。「高所恐怖症だから吊り橋を渡れない!」という人は、天井を花が彩るショップにぜひ。とれたて野菜やフルーツを使ったフレッシュなスムージーで、地元の自然の恵みを満喫できるはず。

地元の野菜で作った搾りたてスムージーや、野菜の直売もあり。野菜に関心の高い女性も楽しめるスポットだ。

三島スカイウォーク
所在地 静岡県三島市笹原新田313
電話番号 055-972-0084
営業時間 9:00~17:00(最終入場16:30)
定休日 無休
URL http://mishima-skywalk.jp/

2016.03.23(水)
文・撮影=芹澤和美