世界を旅する女性トラベルライターが、これまでデジカメのメモリーの奥に眠らせたままだった小ネタをお蔵出しするのがこのコラム。敏腕の4人が、週替わりで登板します。
第124回は、たかせ藍沙さんが、東京からほど近い南房総へフェリーに乗って出かけ、非日常の旅を満喫します!
126年の歴史を刻んだ小学校が生まれ変わった!
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何度も訪れている南房総は、東京から比較的近い場所ながら、毎回新しい場所、美味しいモノに出会うことができる、私にとってお気に入りのエリア。今回も東京湾フェリーを使った。横須賀市の久里浜港から対岸の金谷港まで、40分の船旅だ。電車の旅もいいけれど、海を渡ることで日常から切り離して旅を楽しむことができるというもの。
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最初に訪ねたのは、東京湾に面した内房の鋸南町(きょなんまち)にある、「都市交流施設・道の駅 保田小学校」。「え? 道の駅? 小学校? どっち??」というネーミング。疑問を抱いたままバスを降りると、「やっぱり小学校ね」と思った。外から見る限り小学校にしか見えないのだ。実はここ、廃校となった小学校を再利用した施設なのだ。
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2014年に廃校となるまで、実に126年もの間、数多くの子供たちの母校となってきたため、廃校を惜しむ声も多かったという。そこで、違う形で残そうということになったのだ。小学校の形態を残したまま、宿泊施設や飲食店、道の駅などを併設する都市交流施設として、2015年12月にオープンした。
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旧校舎1階には、「まちのギャラリー」や、鋸南町の観光情報が手に入る「まちのコンシェルジュ」、中国料理の「3年B組」、窯焼きピザを食べることができる「Da Pe GONZO」、土産物店の「快 鋸南百貨店」などがあり、旧食堂跡はそのまま「里山食堂」に生まれ変わった。
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その2階には、「まちの縁側」と名づけられた、学校ならではの長くて広い廊下。そして、教室を改装した宿泊施設などがある。各室内には、黒板や棚がそのまま残されていたりしてどこか懐かしい雰囲気。共同のお風呂も結構広い。これは泊まってみたい!
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古いだけではない。廊下に使われているブラインドは、夏は白い面を外側にして熱を遮断して涼しく、冬は黒い面で太陽光を吸収して暖房に生かすというハイテクだ。
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旧体育館は、里山市場「きょなん楽市」となった。取材時にはまだオープンしていなかったので中はガランとしていたが、既に、広さを最大限に利用したマルシェとしてオープンしている。旬の野菜やフルーツを始め、千葉の銘酒、乾物、漬け物、缶詰め、保田小オリジナルの土産物のほか、「きょなん花MARCHÉ」には季節の花が並ぶ。
南房総に、またひとつ魅力的な観光名所が増えた。
都市交流施設・道の駅 保田小学校
所在地 千葉県安房郡鋸南町保田724
電話番号 0470-29-5530
URL http://hotasho.jp/
2016.02.09(火)
文・撮影=たかせ藍沙