船に乗り込み奇跡の鯛に会いに行く!

早起きをして入った展望庭園風呂「誕生の湯」。ここが一番眺めがいい。そのまた数段上の湯船が頂上(笑)。ここ、最高!

 翌朝、朝一番でホテルの展望庭園風呂へ。昨夜とは男女が入れ替わり、太平洋側の露天風呂が女湯になっていた。こちら側は、9階にも露天風呂があり、そのまま階段を上って屋上に上がることができる。裸のまま移動するので、充分に身体が温まってからじゃないと寒い思いをするけれど(笑)。

「満ちてくる心の宿 吉夢」から徒歩5分ほどの場所にある、鯛の浦遊覧船乗り場。

 朝食を済ませ、ホテルのすぐ隣にある鯛の浦の遊覧船乗り場へ。鯛の浦の海域は、1922年に天然記念物に指定され、1967年には「鯛の浦タイ生息地」として、国の特別天然記念物に指定された。

 理由はその生態の謎だ。体長1メートルにもなることがあるマダイは、通常は水深約30~150メートルの深海に生息している。鯛の浦は水深わずか10~20メートル。なぜこの海域にマダイが見られるのか、未だに謎のままなのだという。また、ここでは鯛は「日蓮の化身」とされているので漁は禁止だ。

 港の近くには「誕生寺」というお寺がある。日蓮が生まれた地であることを記念して建立されたのだという。1264年、日蓮が父祖供養のため海に向かって祈り、南無妙法蓮華経のお題目を書いたところ、波の上にその文字が現れ、鯛が食べたと言い伝えられている。それ以来、鯛は大切に保護されているのだという。

遊覧船は、天候、海況が悪化しない限り、年中無休で運航している。
船頭さんたちはお揃いの鯛が描かれたはっぴを来ている。

 そんなマダイを見るために遊覧船へと乗り込んだ。背中に鮮やかな赤い鯛が染められたはっぴを着た船頭さんたちが港から船を走らせてくれる。と思ったら、5分ほどで船が停まった。

鯛に会えるのは、船で5分ほど沖合に出た水深の浅い海域。
船頭さんが船首から海に餌を撒くとあっという間に鯛が集まってきた。

 「えっ、こんなに近いの?」と思った次の瞬間、船頭さんが船首近くから餌を撒き始めた。「わわっ、もう始まったのね!」と窓から外を見ると、魚が集まっている。

これ、マダイ? どれがマダイ?? 画面右には奇跡の正面顔が(笑)。でも、マダイの正面顔がわからないから、マダイかどうか判定つかず。左上の白っぽい魚がマダイかも?(笑)

 「これ、マダイ? どれがマダイ??」などと思いつつ、写真を10枚ほど撮ったところで餌づけはあっという間に終了(汗)。マダイがいたかどうかは写真判定へ(笑)。餌のやりすぎも彼らにはよくないけれど、遊覧船に乗る皆さん、餌づけ時間は短いのでご注意あれ。

鯛の浦会館には昔の鯛の浦のジオラマのほか、様々な展示があって楽しい。

 港に戻って、隣接されている鯛の浦会館へ。ここには、鯛の浦の歴史、昔の漁村のジオラマや古い漁船の模型、鯛の種類、マダイの生態など、様々な展示があって興味深い。黄金の鯛が鎮座した鯛みこしの前には賽銭箱が置いてあった! この地域では、鯛は日蓮の化身様なのだから。

展示室の最後に、黄金の鯛が鎮座した鯛みこしが飾られていて、賽銭箱が! ここでは、鯛は日蓮の化身様なのだ。

小湊妙の浦遊覧船協業組合
所在地 千葉県鴨川市小湊183-8
電話番号 04-7095-2318
URL http://www.tainoura.jp/

2016.02.09(火)
文・撮影=たかせ藍沙